宇津江四十八滝

宇津江四十八滝

宇津江四十八滝は、岐阜県高山市国府町宇津江に位置する渓谷と、宇津江川の上流に点在する滝の総称です。その美しい景観は、岐阜県の名勝として指定され、県立自然公園にもなっています。また、「21世紀に残したい日本の自然100選」や「岐阜県の名水50選」、「飛騨・美濃紅葉三十三選」にも選ばれており、四季折々の自然美を楽しむことができます。

四十八滝の由来

名前の由来は、数多くの滝があるように思われがちですが、実際には主に13の滝で構成されています。「四十八滝」という名称は、古くから伝わる『よそ八伝説』に由来すると言われています。

各滝の紹介

下流から順に、個性豊かな滝が連なります。

魚返滝（ぎょがえしのたき）：高さ6m
朝霧滝（あさぎりのたき）：高さ2.5m
平滝（ひらだき）：高さ3m
函滝（はこたき）：高さ11.5m
上段滝（じょうだんのたき）：高さ10.1m
梵音滝（ぼんのんのたき）：高さ5.7m
王滝（おうたき）：高さ18.8m
銚子口滝（ちょうしぐちのたき）：高さ10.8m
障泥滝（しょうでいのたき）：高さ9.8m
盌水滝（お bowl水のたき）：高さ1.5m
瑠璃滝（るりのたき）：高さ6m
布晒滝（ぬのさらしのたき）：高さ3m
上平滝（かみひらたき）：高さ2m

よそ八伝説

昔、この地に「よそ八」という若者と母親が暮らしていました。病気の母親のために、よそ八はイワナを釣りに出かけますが、なかなか釣れません。そこで、宇津江の山奥にある大蛇が住む大沼にやってきます。釣りをしていると、木の上から大蛇に睨まれ、その妖気でよそ八は寝込んでしまいます。

その夜、一人の旅の娘がよそ八の元を訪れ、数十日間の看病をします。看病のおかげでよそ八は元気になりますが、娘は「私は大沼の大蛇です。陸で千年、海で千年修行をし、空に昇る時が来ましたが、あなたの親孝行を見て私の血で看病することを決心しました。しかし、そのために私の力は無くなってしまいました。もう空へは昇れません」と告げ、姿を消します。

よそ八はなんとか大蛇を空へ昇らせようと、旅の行者に相談します。行者は不動明王に断食願掛けを行い、21日間の祈祷の末、突然雷雨となり、大蛇は龍となって天に昇りました。大沼の水はすっかりなくなり、谷間の木々もなぎ倒され、そこには大小様々な滝ができていたと言います。

後に、諸国修行の途上にこの地に立ち寄った弘法大師（空海）は、この話を聞き、「その行者は不動明王の化身。よそ八は四十八、つまり仏法四十八願の意味であろう」と言い、このことから宇津江四十八滝と呼ばれるようになったと伝えられています。

園内・周辺施設

レストハウス・しぶき
四十八滝キャンプ場
四十八滝温泉・遊湯館
山野草花園・花の森
あぶらむの里

交通アクセス

車：国道41号飛騨市古川町大野町、大野交差点より岐阜県道479号古川宇津江四十八滝国府線を南西方面へ約5km。中部縦貫自動車道・高山ICより富山方面へ車で20分
バス：高山本線飛騨古川駅、飛騨国府駅、高山駅より濃飛バス、「四十八滝口」バス停より徒歩1時間。


宇津江四十八滝は、伝説と自然が織りなす、心癒されるスポットです。ぜひ一度、その美しい景色を訪れてみてください。

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