宇都宮等綱

宇都宮等綱の生涯

宇都宮等綱（うつのみやともつな）は、室町時代中期に活躍した大名であり、名門宇都宮氏の第14代当主として知られています。彼の家系は代々下野を治めてきた名門で、父は13代当主の宇都宮持綱、母は宇都宮満綱の娘です。彼は幼名を藤鶴丸といい、官位は下野守でした。また、小山満泰の娘および那須氏資の娘を妻に娶り、15代当主である明綱の父ともなりました。

若き日の困難

宇都宮等綱は応永30年（1423年）8月、父持綱が鎌倉公方の足利持氏と対立の末に命を落とすという厳しい状況から始まります。この際、持氏に擁立された庶流の宇都宮家綱に家督を奪われ、彼は自らの地位を失います。若き藤鶴丸は宇都宮を脱出し、さまざまな国を流浪の旅を続けました。そして、後に持氏と敵対していた篠川公方の足利満直のもとに身を寄せることとなります。

彼の動向は記録『満済准后日記』にも記されており、応永31年（1424年）3月3日には室町幕府への使者を派遣したことが確認されています。また、永享3年（1431年）には持氏と将軍足利義教の間で一時的な和睦が成立し、その際に義教が藤鶴丸を宇都宮家の正当な当主と認める姿勢を示しました。

家中の分裂

この時期の宇都宮家中は分裂状態にあり、塩谷氏や芳賀氏は家綱を支持し、武茂氏は藤鶴丸を支持していました。永享7年（1435年）までに持氏は藤鶴丸が宇都宮家を継承することを認め、彼は元服し、「等綱」の名を名乗るようになります。この年の5月3日には、鎌倉府からの命令で乱入する者を止めることにも従事しています。

その後、永享の乱で持氏が敗死すると、等綱は宇都宮に戻ります。続く結城合戦では戦において功績を挙げ、地位が徐々に安定していきました。しかし、持氏の子、足利成氏が鎌倉公方として復帰すると、等綱もまた、江の島合戦に参加し活躍します。

復讐の決意

享徳3年（1454年）、成氏が関東管領の上杉憲忠を暗殺した事件を契機に享徳の乱が勃発し、幕府から成氏討伐の命令が下ります。等綱は父の仇を討つため、決意を固め成氏に対する兵を挙げ、戦に臨みました。この動きは成氏の激しい反撃を招き、成氏は那須資持に対して等綱を批判する書状を送るなどしました。

康正元年（1455年）、等綱は上杉房顕に呼応し、さらなる戦闘に巻き込まれます。同年11月7日には、成氏の命を受けた結城直朝が等綱を攻撃しました。

最後の隠棲

康正2年（1456年）には、古河公方の成氏によって宇都宮城が包囲され、等綱は重臣の裏切りという逆境に見舞われました。彼は宇都宮城から追放され、家督を子の明綱に譲ることになります。その後、出家し隠棲の生活に入るとされ、しばらく上洛した後、還俗したと考えられています。長禄2年（1458年）には、白河の結城直朝に保護されることとなります。

最後に、寛正元年（1460年）3月1日に白河で死去し、その生涯は41年に及びました。息子の明綱は等綱の跡を継ぎ、宇都宮家の歴史は続いていきます。等綱は戦乱の時代を生き抜いた武将として、今もなお語り継がれる存在です。

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