守山市 (愛知県)

概要

守山市（もりやまし）は、かつて愛知県に存在した市であり、現在の名古屋市守山区にあたります。この市は昭和の大合併において愛知県内で唯一廃止された市として知られています。守山市は誕生後すぐに名古屋市との合併が進められ、わずか9年間の存続の後に名古屋市に吸収されました。

守山市は庄内川と矢田川に囲まれ、地形は東部に丘陵地帯を有しています。「守山」という名称は「森山」に由来するとされ、古い文献には「森山」と表記されているものも存在します。なお、同名の市として滋賀県に守山市がありますが、これは1970年に市制が施行されたため、重複とはなりません。

地理

守山市は名古屋市の北部に位置し、隣接する自治体として名古屋市の北区、東区、千種区、春日井市、瀬戸市があり、東春日井郡旭町や愛知郡長久手村とも隣接しています。

歴史

守山市は戦国時代初期に尾張国山田郡の一部として存在していました。1521年に松平信定が守山城を築いたのが歴史の始まりとされます。1535年には守山城で松平清康が暗殺され、当時の土壇場の消耗戦に影響を与えました。

江戸時代にはこの地域は尾張藩領に属していましたが、明治時代に入り、1878年に大森垣外村と牛牧村が合併し、新たに大森垣外村が成立します。1889年には守山村、川村、小幡村などの複数の村が合併して二城村が創設されます。

1906年には二城村や高間村、大森村が合併し、町制が施行され、守山町へと名称が変更されました。1954年には志段味村を編入し、市制施行を決定、これにより守山市が成立します。

その後、1963年には名古屋市との合併が実現し、守山市は名古屋市の一部として守山区となります。市制移行の経緯には、守山町長や住民の合併に対する強い意向が影響を与えました。

教育・公共機関

守山市には複数の教育機関が存在しました。金城学院大学や愛知県立緑丘高等学校、守山女子商業高等学校などが当時の主要な教育機関でした。また、守山市立の小学校や中学校も複数あり、名古屋市立として今も残っています。公共機関には志段味荘や守山市民病院、守山警察署がありました。

交通

交通網は名古屋鉄道の瀬戸線が主要で、守山市駅は守山自衛隊前駅として現在も利用されています。国鉄中央本線も通過していますが、駅はありません。

名所・旧跡

この地域には歴史的な名所が多くあります。生玉稲荷神社や龍泉寺、志段味古墳群、守山城址などがその一例です。古墳群は特に古代の歴史を感じる場所として知られています。

出身有名人

守山市には、愛知絵入新聞の社主であり元衆議院議員の大島宇吉、女優の川島なお美、細胞生物学者の竹市雅俊などがいます。これらの人物は地域にゆかりがあり、多くの人々に親しまれています。

参考文献

この情報は、守山市の歴史や地理についての多くの文献や資料に基づいてまとめています。特に『守山市史』や角川日本地名大辞典は重要な出典となります。

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