守田座

森田座・守田座（もりた ざ）

森田座・守田座は、江戸時代に存在した歌舞伎の芝居小屋であり、江戸三座の一つとして重要な役割を果たしました。座元は森田（または守田）勘彌が代々務め、河原崎座が控櫓となっていました。

歴史

万治3年（1660年）、初代森田勘彌（森田太郎兵衛）が木挽町五丁目（現在の中央区銀座6丁目）に森田座を開場したのが始まりです。しかし、森田座の経営は安定せず、資金繰りの問題から破綻や休座を繰り返しました。その間、控櫓である河原崎座が代わって興行権を委ねられることが多く、時には20年近く河原崎座が興行を続けることもありました。

天保14年（1843年）には、天保の改革によって木挽町から猿若町（現在の台東区浅草6丁目）へ移転させられますが、この時も森田座は3度目の休座中であり、実際の移転作業は河原崎座が行いました。

安政3年（1856年）5月、河原崎座が失火により全焼すると、十一代目森田勘彌によって森田座が再興されました。その2年後、「森の下に田んぼ」という字面が陽当たりが悪く実りが悪いことを連想させるとして、「田を守る」という意味を込めて名称を森田座から守田座に改称しました。これに伴い、座元の姓も森田から守田に改められました。

明治5年（1872年）には、「新しい富を求める」という縁起を担ぎ、新富町（現在の中央区新富2丁目）へ移転。さらに3年後の明治8年（1875年）には、座名も新富座と改称しました。

定式幕

守田座の定式幕は、左から「黒・柿色・萌葱色」の三色の引幕でした。この組み合わせは、現在東京歌舞伎座や京都南座をはじめとする多くの劇場で歌舞伎上演の際に使用される定式幕の基本となっています。

森田座・守田座は、江戸歌舞伎の歴史において、興行形態や名称の変遷、そして定式幕の確立など、様々な面で重要な足跡を残しました。

外部リンク

五代目 坂東玉三郎・公式サイト - 「玉三郎の歴史」の守田勘弥と守田座の歴史を参照
『守田座』 - コトバンク
* 『森田座』 - コトバンク

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