安全運転中央研修所

安全運転中央研修所（中研）について

安全運転中央研修所は、茨城県ひたちなか市に位置する自動車安全運転センター内の研修施設です。国家公安委員会警察庁交通局交通企画課が所管しており、警察関係者や自動車教習所の関係者からは「中研」という愛称で親しまれています。

概要

1991年5月、自動車安全運転センター法に基づき開設されたこの施設は、運転技術の向上だけでなく、自動車と人間の限界を理解し、安全に危険を体験することを目的としています。研修内容は多岐にわたり、警察や消防などの緊急自動車運転に関する講習、自動車教習所の研修が中心ですが、一般企業や個人運転者向けの研修も提供しています。

約100ヘクタールという広大な敷地内には、9階建ての研修・宿泊棟があり、最上階からは周辺を一望できる展望台も備わっています。また、付属交通公園では、近隣の小・中学生を対象とした交通安全講座や、ゴーカート、ミニSLなどの遊戯施設も設けられており、家族連れでも楽しめる場所となっています。

全国白バイ安全運転競技大会や全国トラックドライバーコンテストなど、国内の主要な運転競技会もこの施設で開催されています。

アクセス

自動車

東京都内から: 北関東自動車道・東水戸道路経由、常陸那珂有料道路ひたち海浜公園ICから南へ200メートル。
仙台市方面から: 常磐自動車道日立南太田ICから国道293号・245号を経由し、国営ひたち海浜公園入口方面へ。その後、県道247号を南下。

鉄道・バス

鉄道: 最寄りの駅はひたちなか海浜鉄道湊線の阿字ヶ浦駅ですが、駅から施設までは距離があるため、一般的なアクセス手段ではありません。
バス: 常磐線勝田駅から茨城交通の路線バスが運行しています。また、茨城交通が運行する東京駅 - 勝田・東海線高速バスも1往復のみ停車します。

研修内容

施設内には、一周5kmの高速周回路、中低速周回路、スキッドパン（低ミュー路）、ハイドロコース、模擬市街地、教習コース、多目的コース、直線スキッド、山岳路、モトクロス、トライアルコースなど、様々な設備が整っています。これらの設備を活用し、以下のような実践的な研修が行われています。

スラローム（二輪、四輪）
ブレーキング
コーナーリング
ハイドロプレーニング現象の体験
スキッドコースでのブレーキング
トライアル車によるトライアル走行
モトクロス走行
夜間研修（眩惑・蒸発現象・視認性の変化の体験）

安全運転管理者資格取得に向けた講習、緊急自動車や大型貨物自動車、バスの運転手向けの研修、24歳以下の若者向けの研修など、幅広いニーズに対応したコースが用意されています。

教官

研修を担当する教官は、日本の警察や指定自動車教習所から選抜された精鋭で構成されています。中には国際A級ライセンスを持つ教官も在籍しています。また、理論を担当する教官には、元大学教授や自動車工学の専門家、心理学の専門家など、各分野のスペシャリストが名を連ねています。

研修車両

研修で使用される車両も充実しており、二輪車は原付スクーターから800cc、1300ccの白バイ、ヤマハXJR1300ccなど、多種多様な車種が数十台単位で揃っています。ビッグスクーターやモトクロス、トライアル車も用意されています。四輪車も同様に、様々な種類のパトカーをはじめ、普通車、中型バス、大型バス、中型トラック、大型トラックなどが導入されています。

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