安定郡

安定郡（あんてい-ぐん）

安定郡は、中国の歴史において、現在の寧夏回族自治区中南部から甘粛省の一部にかけて存在した郡です。その成立から消滅まで、時代の変遷とともにその領域や管轄する県が大きく変化しました。

漢代

安定郡は、前漢時代の前114年（元鼎3年）に、北地[[郡]]から分割される形で設置されました。郡治は高平県に置かれ、涼州刺史部の管轄下にありました。この時代、安定郡は複数の県を管轄しており、その具体的な県名については以下の表にまとめられています。

魏晋南北朝時代

晋の時代になると、安定郡は臨涇、朝那、烏氏、都盧、鶉觚、陰密、西川の7県を管轄していました。しかし、北魏の時代には涇州に属し、管轄する県は安定、臨涇、朝那、烏氏、石堂の5県に減少しました。

北周時代には、安定郡の管轄県はさらに縮小し、安定、烏枝、臨涇、撫夷の4県となりました。その後、烏枝、臨涇、撫夷の3県が廃止されたため、最終的には安定県1県のみを管轄する郡となりました。

隋代

583年（開皇3年）、隋朝が郡制を廃止した際、安定郡は涇州と改称されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止され、再び郡が置かれると、涇州は再び安定郡と改称されました。この時、安定郡は安定、鶉觚、陰盤、朝那、良原、湫谷、華亭の7県を管轄しました。

唐代

618年（武徳元年）、唐朝が薛仁杲を平定すると、安定郡は涇州と改められました。その後、742年（天宝元年）に涇州は安定郡と再び改称されましたが、756年（至徳元載）には保定郡と改称され、安定郡の名前は一時的に消滅しました。しかし、758年（乾元元年）には保定郡は涇州と再び改称され、安定郡としての歴史は幕を閉じました。

このように、安定郡は時代によってその名称や管轄県を大きく変えながら、中国の歴史の中に存在した郡でした。

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