安政八戸沖地震

安政八戸沖地震

概要

安政八戸沖地震（あんせいはちのへおきじしん）は、1856年8月23日（安政3年7月23日）に発生した地震で、震源は青森県八戸沖に位置しました。当初、地震の規模はM7.5と推定されており、震央は北緯41.0度、東経142.3度とされています。
この地震は、延宝八戸沖地震や宝暦八戸沖地震と同様に、青森県の沖合で繰り返し発生するプレート境界型の固有地震と見なされています。1968年の十勝沖[[地震]]と類似した震度分布や津波の襲来の形状から、今なお研究対象となっています。

地震の発生

地震は午前12時ごろ、東北地方北部の太平洋沿岸から北海道にかけて強い揺れを伴って発生しました。記録によれば、陸奥地方では『蝦名日記』や『津軽藩日記』を通じて、余震が12月まで続いたことが確認され、特に7月26日には強い余震があったとされています。『八戸藩史稿』によれば、八戸城が部分的に損壊し、浸水被害が発生したことも確認されています。

規模と震源

震源に関しては、河角廣が当初想定した震源は渡島半島東側で、規模をMK=4、マグニチュードはM=6.9と算出しました。一方、宇佐美龍夫は震度分布に基づき震央を再評価し、Mを7.5とし、更に1968年の十勝沖[[地震]]に似た断層モデルを提唱し、震央を沖に位置づけてより高いマグニチュードを推定しました。相田勇も同様に、断層モデルを採用し、Mを8.3と見積もることで、当時の地震の規模の重要性を強調しました。

津波の影響

地震に伴い、北海道太平洋側から三陸海岸にかけて顕著な津波が発生しました。史料によると、函館では「海水が退き、再び襲い来る」様子が記録されており、波は最大で約3.6から3.9メートルに達したとされています。その他の記録でも、各地域での波の高さが異なり、特に田の浜では約5.1メートルとされています。この津波は南部藩領において93棟が流出し、破損家屋や被害の総数も記録されました。

また、羽鳥徳太郎の研究によると、この安政の津波は1968年の十勝沖[[地震]]によるものとほぼ同等の規模であるが、北海道沿岸では安政津波の方が倍近く大きかったと指摘されています。さらに、明治三陸地震において津波の威力が軽視された要因の一つとして、この時の津波の高度が低かったことも考えられています。

結論

安政八戸沖地震とその津波は歴史的な側面からも学びの多い出来事であり、現代においてもその影響や教訓が重視されています。この地震は、地震や津波研究の重要性を教えるとともに、災害への備えがいかに重要かを再認識させるものです。

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