安曇野アートヒルズミュージアム

安曇野アートヒルズミュージアム：安曇野のガラス工芸を彩る施設

長野県安曇野市穂高有明にあった「安曇野アートヒルズミュージアム」は、ガラス工芸をテーマにした観光施設として、多くの来場者で賑わっていました。安曇野アートラインに加盟し、東京アートが運営していた同施設は、2020年12月31日をもって閉館しました。本稿では、その歴史と魅力的な施設内容についてご紹介します。

歴史：ガラスの丘からアートヒルズへ

1991年、「ガラスの丘・アートヒルズ」として開業したこの施設は、その後、2006年に改装。美術館が設けられ、現在の名称「安曇野アートヒルズミュージアム」へと生まれ変わりました。 美しい安曇野の自然と調和したこの施設は、多くの観光客に愛され、ガラス工芸の魅力を発信し続けてきました。しかし、2020年、惜しまれつつも閉館の幕を閉じました。

施設：充実の空間と体験

ミュージアムは本館と別棟からなり、様々な魅力的な空間を提供していました。

本館：

エミール・ガレ美術館: 2階の一角に設けられた美術館では、フランスの巨匠エミール・ガレの作品が展示されていました。繊細で美しいガレの作品を間近で鑑賞できる貴重な空間でした（撮影禁止）。
ショップ: 1階から2階にかけて広がる約1210平方メートルのショップは、ガラス工芸品をはじめとした様々な商品が取り揃えられていました。
ガラス制作体験スペース: 約160平方メートルの工房では、ガラス制作体験を楽しむことができました。自分だけのオリジナル作品を作る貴重な機会を提供していました。
イタリアンレストラン「クインディチ」: 44席を備えたイタリアンレストラン「クインディチ」（イタリア語で15の意味）では、本格的なイタリア料理を味わうことができました。特に、テラス席からの安曇野の眺めは絶景でした。

別棟：

ガーデンハウス: 米澤農園と連携したガーデンハウスでは、安曇野の自然と調和した空間が広がり、食事処「稜線」も併設されていました。
安曇野おみやげ処: 安曇野の特産品などを購入できる売店です。

アクセス：便利な立地

公共交通機関、自家用車どちらでもアクセス可能な立地でした。

公共交通機関: JR大糸線穂高駅からタクシーで約15分。あづみ野周遊バス（季節運行）も停車していました。
自家用車: 長野自動車道安曇野インターチェンジから約13キロメートル、車で約20分。200台収容可能な駐車場（大型バス5台分を含む）を備えていました。

関連施設：日本のガラス工芸とエミール・ガレ

安曇野アートヒルズミュージアムは、多くのガラス工芸関連施設と深い繋がりを持っていました。エミール・ガレの作品を所蔵する美術館としては、鳴門ガレの森美術館、北海道立近代美術館などが挙げられます。その他、黒壁ガラス館、上越市立歴史博物館、大一美術館、愛知県陶磁美術館、ウッドワン美術館、ナンシー派美術館、サントリー美術館、北澤美術館など、多くの施設が日本のガラス工芸の歴史と文化を伝えています。

まとめ：安曇野の記憶

閉館した安曇野アートヒルズミュージアムは、その歴史と魅力的な施設内容から、多くの思い出を残しました。訪れた人々の心に、安曇野の美しい景色とガラス工芸の輝きが今も刻まれていることでしょう。 かつての賑わいを偲びながら、この施設が担ってきた役割と、その存在意義を改めて考える機会となりました。

もう一度検索