安用寺孝功

安用寺孝功のプロフィール

安用寺孝功（あんようじ たかのり、1974年8月30日生まれ）は、将棋棋士番号234を持つ棋士であり、森信雄門下出身です。京都府宇治市で生まれ、将棋界でも努力と実績を積み重ねてきました。

将棋の道のり

安用寺は1988年に開催されたアマ名人戦で、中学2年生にして準優勝の成績を収め、将棋界にその名を馳せることになりました。この快挙は、10年前に成し遂げられた塚田泰明と同じく、特筆に値します。その直後、奨励会に入会し、棋士としての道が始まります。しかし、この数年間は厳しい道のりでもありました。1級から2級に降級したり、1998年の三段リーグでは暫定トップからの2連敗ですぐにチャンスを逃すなど、さまざまな苦悩を経験しました。

プロ入りまでの11年間は、特にデリケートな時期でもありましたが、1999年前期の三段リーグでは、後半戦に7連勝を果たし、最終的に13勝5敗の成績で2位を獲得。この結果により、待望のプロ入りを果たします。

主な戦績

2004年度の第30期棋王戦では、内藤國雄、森下卓、鈴木大介といった著名な棋士を相手に勝利し、ベスト8に進出しました。その一歩手前で深浦康市に敗れることになりましたが、次年度へのシード権を獲得するチャンスを掴んでいました。2005年度の順位戦では、持ち時間が長い形式を生かして9勝し、最高勝率をマークしながらC級1組に昇級しました。

その後も昇級に向けた努力を続け、2008年度にはB級2組への昇級を果たしましたが、持ち味である順位戦での安定感が失われる場面が目立ち始めます。特に2015年度には、7連敗を喫し、ついにはC級1組に降級することになりました。しかし、苦手とされていた早指し棋戦でも成長を見せ、2014年から2015年の銀河戦では初めて決勝トーナメントに進出。そして、NHK杯戦でも予選を通過し、初出場を果たしました。

棋風と特徴

安用寺棋士の棋風は、振り飛車戦法を基にしており、さまざまな戦略を使い分ける多彩なスタイルが魅力です。三間飛車や相振り飛車、さらには中飛車や角道を止めない四間飛車など、オーソドックスではない新たな指し方も時折見せています。

プライベート

安用寺は、2006年に関西研修会の幹事に就任し、将棋界での経験を積む一方、2012年には結婚を発表しました。また、2004年に放送された番組『トリビアの泉』では、伊藤博文六段との大局将棋を行い、計3805手、32時間41分という対局の末に勝利しています。その際、「もう二度とやりたくない」と語るほどの苦労を味わったエピソードも持っています。

最近の対局では、2024年の順位戦で「着手地点の誤り」という反則を犯す瞬間が話題に上がりました。この様子は対局中に他の棋士からSNSで伝えられ、多くの人々の記憶に残る出来事となりました。

安用寺孝功棋士の今後の活躍に期待するとともに、将棋界に与える影響も注目していきたいと思います。

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