安田翔伍

安田翔伍調教師：サラブレッドと共に駆け抜ける若き才能

安田翔伍調教師は、1982年生まれ、滋賀県出身のJRA栗東トレーニングセンター所属の調教師です。父は、名馬トウカイテイオーで日本ダービーを制した元騎手・調教師の安田隆行氏。幼い頃から競馬に深く関わってきた環境が、彼の将来を決定づけることとなります。

8歳の時、父がトウカイテイオーで日本ダービーを制覇するのを目の当たりにした安田翔伍氏は、強い衝撃を受けます。3年後、父が調教師に転身するため騎手を引退する際、競馬場で見送った彼は、「自分もこの世界に入りたい」と決意を固めました。

しかし、競馬学校騎手課程への受験は不合格。高校時代には体が大きくなり、騎手としての道を断念せざるを得ませんでした。それでも競馬への情熱は消えず、父のつてでノースヒルズファームに就職。アイルランドでの研修を経て、ノーザンファームで3年間勤務した後、2002年10月、競馬学校厩務員課程に入学します。

2003年1月には父の厩舎で厩務員として働き始め、2月には調教助手へと昇進。カレンチャンやロードカナロアといった短距離のスターホースに携わる中で、彼は新たな目標を見出していきます。特にロードカナロアを伴った香港遠征は、大きな転機となりました。この経験を通して「調教師という立場になり、このような大きな舞台に自分の管理馬を送り込みたい」と考えるようになったのです。

その後、3度目の挑戦で調教師試験に合格。技術調教師時代には社台ファームで研修を行い、着実に経験を積みました。2018年3月4日、阪神競馬場6レースでオメガパフュームに初勝利をもたらし、開業からわずか3日で快挙を達成。このオメガパフュームは、社台ファーム研修中に調教に携わった馬であり、父の厩舎から譲り受けた特別な一頭でした。

同年には、社台ファーム研修中に担当し、目野哲也厩舎から引き継いだケイティクレバーでGI競走初出走を果たします。そして9月29日には、オメガパフュームでシリウスステークスを制し、開業半年で重賞初勝利。さらに同年12月29日には、東京大賞典を制し、GI級レース初制覇という偉業を成し遂げました。

2024年3月5日には、父・安田隆行調教師の定年退職に伴う厩舎解散を受け、重賞勝ち馬グラティアスなど8頭を継承。そして、5月26日、東京優駿（日本ダービー）をダノンデサイルで制覇し、JRA・GI初勝利を飾りました。この勝利は、1984年以降の東京優駿最年少制覇記録の更新（41歳10か月19日）という快挙でもありました。さらに、父・安田隆行氏が騎手時代にトウカイテイオーで東京優駿を制覇していることから、父子制覇という歴史的偉業も達成しました。

安田翔伍調教師は、自身の経験と努力、そして父から受け継いだ血脈を活かし、常に挑戦を続ける若き才能です。今後の活躍から目が離せません。

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