安秉範

安 秉範の生涯

安秉範（アン・ビョンボム、1890年8月21日 - 1950年7月29日）は、朝鮮出身の軍人であり、大日本帝国陸軍と大韓民国陸軍の両方でのキャリアを持ちます。彼の最終的な軍階は、日本軍の大佐、韓国軍の准将でした。日本名は亀村貞信、また別名として安鐘寅とも呼ばれています。

経歴の始まり

彼はソウルの桂洞で生まれ、李氏朝鮮末期に日本に渡り、陸軍中央幼年学校に留学しました。1914年、陸軍士官学校の第26期生として卒業した後、歩兵第13連隊に配属され、同年のクリスマスに歩兵少尉に昇進しました。以降、彼は様々な階級を経て、1925年には大尉に昇進しました。

1926年には歩兵第73連隊の中隊長に就任し、1928年には李垠殿下の御付武官としても活動しました。その後も階級を上げ続け、1933年に少佐、1934年には副官としての役割を担い、1939年には中佐に昇進しました。1943年には大佐に昇進し、終戦を迎えました。終戦時には第124停車場の司令官を務めていました。

戦後の活動

1945年8月、彼は李應俊や金錫源、申泰英らと共に朝鮮臨時軍事委員会を発足させ、韓国の軍事組織の再編を進めました。1949年1月には韓国陸軍士官学校第8期特別第1班で訓練を受けた後、任大佐として護国軍第103旅団の指揮を執りました。その後、1949年8月には釜山兵事区の司令官となります。

ちなみに、1950年1月には陸軍参謀学校を修了し、同年6月には青年防衛隊首都防衛隊の顧問に就任しました。

朝鮮戦争と最期

1950年6月25日、朝鮮戦争が始まると、北朝鮮軍の急速な進攻により、ソウルからの脱出が叶わず、彼は6月29日に仁王山で自ら命を絶ちました。この時、二人の息子も戦死していたと言われており、彼の死は痛ましいものでした。死後、彼は准将に追叙され、安の遺骨は国立ソウル顕忠院に埋葬されています。

死後の評価

安秉範の評価は複雑であり、2008年には民族問題研究所によって発表された親日人名辞書の軍部門に選定されました。このような評価は彼の生涯や行動に対する賛否を反映しています。

家族

安秉範の家族には、息子たちが数名おり、それぞれ異なる経歴を持っています。長男の安光鎬は陸士第8期特別第4班として軍事的なキャリアを身につけ、その後、駐米大使館付武官としても活躍しました。次男の安光銖は日本陸士58期卒業後に少尉として従軍しました。三男と四男もいずれも戦死しており、家族は困難な歴史を背負っています。

このように、安秉範は日本と韓国の歴史の中で重要な役割を果たした人物であり、彼の生涯は多くの教訓を残しています。

もう一度検索