安積町

福島県郡山市安積町：歴史と現在

安積町（あさかまち）は、福島県郡山市に位置する地区です。かつては安積郡に属する自治体でしたが、現在は郡山市の一部となっています。この記事では、旧安積町とその地域としての安積町について解説します。

安積町の概要

安積町の人口は、2016年1月1日時点で34,231人、世帯数は14,346世帯です。その歴史は古く、5世紀から6世紀にかけて大和朝廷が阿尺国造を置き、この地域を統治させたことが地名の由来となっています。「阿尺」が「安積（あさか）」に転じたとされています。

交通の要衝として古くから栄え、鎌倉時代の奥大道、江戸時代の奥州街道、そして近代の国道4号や東北本線がこの地域を経由しました。安積永盛駅の設置後は、商店街や工場、市場などが集まる市街地を形成し、旧町民は郡山市中心部ではなく、安積永盛駅周辺を「街」と呼ぶこともあります。

しかし、郡山市との市街地が近いため、南拠点地域（郡山操車場跡地）の開発や国道4号沿いの店舗の増加により、市街地は徐々に一体化しつつあります。現在、日出山、笹川、荒井、長久保などの地域は郡山市街地へのアクセスが良く、住宅地として発展しており、柴宮団地、雷神団地、安積団地、槍ヶ池団地などの市営・県営住宅が多く、ベッドタウンとしての性格を強めています。

一方、成田や牛庭といった地域では、農業が盛んに行われています。日出山地域には、阿武隈川が蛇行した名残で、川の対岸に取り残されたような地形が存在し、三日月湖に囲まれた独特の景観が見られます。

歴史

1909年（明治42年）：国鉄東北本線笹川駅（現・安積永盛駅）が開業。
1943年（昭和18年）：永盛村が町制を施行し、永盛町となる。
1953年（昭和28年）：国道115号（現在の国道49号）が制定。
1954年（昭和29年）：永盛町が豊田村と合併し、安積町が発足。
1955年（昭和30年）：川田地区が三穂田村へ編入される。
1965年（昭和40年）：郡山市が安積町を含む安積郡全町村と新設合併し、安積町は消滅。

現在の安積町

安積町には、国土交通省郡山国道事務所や福島県林業研究センターなどの国の機関や県の機関があります。また、安積行政センターや郡山消防署安積分署などの市管轄の機関も存在します。

交通面では、東北本線と水郡線が通り、安積永盛駅が利用されています。郡山-安積永盛間には新駅設置の構想もあります。福島交通による路線バスや、仙台方面への高速バスも利用可能です。道路は、国道4号あさか野バイパスや複数の県道が通っています。

産業は、郊外での農業や福島県林業研究センターの立地が特徴です。工業では日本全薬工業が本社を構え、商業施設としてはヨークベニマルやケーヨーデイツー、タイムアフタータイムなどがあります。安積永盛駅周辺には商店街があり、ロードサイド店舗も多数存在します。宿泊施設としては、温泉付きのホテルバーデンや月光温泉クアハイムなどがあります。

教育機関としては、郡山市立の小学校5校（安積第一、安積第二、安積第三、永盛、柴宮）と中学校2校（安積、安積第二）、そして帝京安積高等学校があります。

名所・旧跡・観光スポット

安積町には、月光温泉、なりた温泉、バーデン温泉、石橋ヘルス温泉、安積野温泉などの温泉施設があります。また、1月には郡山市内最大のどんど焼き、8月にはあさか野夏まつり・郡山花火大会、9月には大久保様の水祭りやあさか野柴宮案山子祭り、11月には笹川のあばれ地蔵といった祭事・催事も行われます。

その他、郡山カルチャーパークなどの観光スポットもあります。

まとめ

安積町は、歴史的な背景を持ちながら、交通の便が良いことから発展してきた地域です。現在は郡山市の一部として、住宅地や商業地、そして農業地としての多様な顔を持っています。豊かな自然と歴史、そして人々の暮らしが調和した魅力的な地域と言えるでしょう。

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