安藤大将

安藤大将（あんどう ひろまさ、1962年12月6日 - ）は、奈良県出身の元競艇選手であり、現在は霊能者として活動しています。旧名は安藤千夏（あんどう ちなつ）で、登録番号3145、第54期生として競艇選手デビューを果たしました。師匠は同じく競艇選手の長嶺豊氏です。

安藤大将は、競艇選手時代に性同一性障害を公表したことで知られています。1984年に旧名の安藤千夏として女子選手としてデビューし、1998年には「第9回大阪スポーツ賞アクアクイーンカップ」で初優勝を飾るなど、女子選手として活躍しました。しかし、2001年8月に性同一性障害と診断されたことをきっかけに、大きな転換期を迎えます。

2002年3月28日には、名前を安藤大将に改名し、乳房切除手術を受け、男性選手として再デビューを果たしました。これは、競艇界において前例のない出来事であり、多くの注目を集めました。その後、2004年からは静養に入り、2005年9月8日に引退を表明しました。

競艇選手としてのキャリアを終えた後、安藤大将はテレビや講演会など、メディアへの露出を増やしました。また、自身の性同一性障害の経験を綴った著書『スカートをはいた少年』を出版し、大きな反響を呼びました。この著書を通じて、自身の経験や思いを広く社会に伝え、多くの人々に勇気を与えました。

さらに、競艇引退後にはカナダで性別適合手術を受け、戸籍上の性別も男性に変更しました。現在は大阪を拠点に霊能者として活動し、日本霊能者連盟にも所属しています。また、「大将のャ」という霊能スペースを主宰し、霊能者としての活動を続けています。

安藤大将の著書には、単独での著書である『スカートをはいた少年 こうして私はボクになった』の他に、虎井まさ衛氏との対談を収録した『語り継ぐトランスジェンダー史 性同一性障害の現在・過去・未来』や、翔野塁氏原作、坂井トオコ氏漫画の『ありがとう千夏 -- 性同一性障害　競艇選手・安藤大将物語』などがあります。これらの著書は、安藤大将の人生や性同一性障害に対する理解を深める上で貴重な資料となっています。

また、2002年にはNNNドキュメント'02『カミング♂アウト 〜女から男へ…安藤大将という生き方〜』というドキュメンタリー番組も制作され、安藤大将の生き方が広く紹介されました。これらのメディア出演を通じて、安藤大将は、自身の経験をオープンに語り、性同一性障害に対する社会の理解を促進する上で重要な役割を果たしました。

安藤大将の活動は、競艇選手という枠を超え、多くの人々に影響を与えています。性同一性障害という困難を乗り越え、自身の経験を社会に還元する姿勢は、多くの人々の共感を呼んでいます。また、霊能者としての活動を通じて、人々の心の悩みに寄り添い、新たな生き方を模索する人々の支えとなっています。

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