安達時盛

安達時盛の生涯

安達時盛（あだち ときもり）は、鎌倉中期に活躍した鎌倉幕府の御家人であり、安達氏の一員です。彼は仁治2年（1241年）に、父・安達義景のもとに生まれました。兄の名は泰盛で、二人は共に幕府の政治に参加し、重要な役割を果たしました。

幕政への参加

時盛は、兄である泰盛と共に幕府において政務を担い、弘長3年（1263年）には執権の北条時頼が亡くなった際に炉忍（その後、道供と名乗る）として出家しました。この選択は、彼の人生に大きな影響を与えましたが、同時に彼の政治的な道にも影を落とすことになります。

出家後も兄弟は幕政に関与し続け、文永4年（1267年）には評定衆に任命されました。評定衆とは、幕府の重要な議決機関のメンバーであり、政治の中枢での役割を果たすことが期待される地位でした。彼らの政治活動は、当時の政局を左右する要素となっていました。

突如の隠棲

しかし、健治2年（1276年）9月、時盛は突然寿福寺に入り隠棲することになります。この行動は彼を取り巻く状況の異変を示唆しています。彼の所領は幕府によって収公され、兄の泰盛からも義絶されるという事態に至りました。隠棲の原因は定かではありませんが、兄との関係の悪化や政治的な問題があったと推測されています。

この隠棲は、時盛自身にとっても、家系や幕府内の権力バランスに大きな影響を及ぼす結果となりました。隠遁の背景には、彼自身が直面していたマイナスの要因があったと考えられます。そうした状況は、彼の名声にも影を落としました。

死去とその後

時盛は弘安8年（1285年）6月10日に隠棲先の高野山で亡くなりました。享年は45歳でした。この死去は、兄・泰盛が霜月騒動で滅びる5ヶ月前という時期に重なります。時盛の死は、安達一族にとっても暗い影を落とすことになります。

彼の後は時長や師頼に引き継がれ、安達氏はその後も続いていきますが、隠棲によって彼が幕政に与えた影響や、その後の展開は歴史を通じて語り継がれることになるのです。時盛の行動は、一族の将来にも大きく影響したことは間違いありません。彼の生涯には、多くの謎と政治的なドラマが織り交ぜられており、鎌倉時代の複雑な情勢を反映しています。

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