安達橋

安達橋について

安達橋（あだちばし）は、福島県本宮市の阿武隈川にかかる道路橋です。この橋は福島県道28号本宮三春線および福島県道73号二本松金屋線の一部を構成しています。全長173.3メートル、主径間は43.3メートル、幅員は6.0メートル（18.8メートル）という設計で、4径間PC連続プレビーム桁橋という形式を採用しています。施工は川田工業が担当し、橋は2004年7月12日に開通しました。

この橋は、本宮市の中心部から東へ流れる阿武隈川を横断します。橋の西側は本宮字中條に位置しており、福島県道355号須賀川二本松線（奥州街道）からその県道が分岐する丁字路となっています。一方、東側は市内高木字高木に位置しており、当県道は北へ曲がる丁字路へと続きます。この部分は元々の橋が南側に移設されたため、曲がった進行方向となっています。現安達橋は、これまでに渡河地点として重要な役割を果たしてきた4代目の橋です。

沿革

安達橋が位置する地域は、古くから交通の要所であり、三春を経由して平へ向かう岩城街道や小浜を経て相馬へ向かう相馬街道が通っていました。これらは塩の道としても知られ、また奥州街道の宿場町として栄えた本宮寺とを結ぶ重要な地点でした。相馬藩の参勤交代ルートでもあり、渡河はこの地域の重要な機能でした。上流には上舟場（現・上ノ橋）、中舟場（中ノ橋、現・安達橋）、下舟場（下ノ橋、現・昭代橋）と三箇所の渡船場が設置されており、安達橋は中舟場に相当します。

最初の舟橋が架けられたのは1874年（明治7年）で、当時は中ノ橋と呼ばれました。その後、幾度も流出や再建が行われ、1911年（明治44年）には木橋として県橋に昇格されると同時に安達橋と改称されました。1936年（昭和11年）には、鉄筋コンクリート製の永久橋に架け替えられ、現代自動車交通の要請に応える形で利用されてきましたが、幅員が狭く歩道もないことから、歩行者の安全性が問題視されていました。加えて、阿武隈川の治水対策のための改修工事が進められたため、2004年に現在の架け替え工事が行われました。

新しい橋は、福島県内で初となるPCプレビーム桁を使用し、川の景観を考慮したデザインとなっています。橋上には上下対向の2車線が設けられ、両側には幅4.5メートルの歩道が設置されています。この部分は地域住民との懇談会の結果を反映したもので、川を見渡せる高欄も備えられています。総工費は約22億3300万円にのぼりました。

近隣の施設

安達橋の周辺には、複数の金融機関や商業施設が点在しています。東邦銀行本宮支店や福島銀行本宮支店、大東銀行本宮支店が近くにあり、住民や来訪者にとって便利な立地です。さらに、ホテル堺屋や飲食店も存在し、地域の生活を支えています。

隣接する橋

安達橋の上下には、上ノ橋と昭代橋があります。この三つの橋は上中下三橋とも呼ばれ、地域の交通を円滑に保っています。歴史的な背景を持ちながら、現代の交通網にしっかりと組み込まれている安達橋は、地元住民に親しまれている重要なインフラの一部です。

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