安里川

安里川（あさとがわ）

安里川は、沖縄県那覇市を流れる二級河川です。源流は那覇市首里鳥堀町の弁ヶ岳にあり、そこから南西方向に流れていきます。上流部では金城川（きんじょうがわ）、または地元で「かなぐしくがーら」とも呼ばれています。

地理

安里川は、那覇市と南風原町の境界付近を流れ、那覇市真地付近で北西に方向を変え、金城ダムを通過します。その後、那覇市松川付近で真嘉比川、那覇市三原付近でキブンジャ川と合流し、牧志付近まで複雑に蛇行しながら西へ流れます。姫百合橋で国道330号、蔡温橋で国際通りと交差し、牧志からは直線的な流路で北西へ流れ、崇元寺橋付近で久茂地川を分流します。最終的には、那覇港で東シナ海へと注ぎます。

流域は、下流部が那覇市の中心市街地、中流部が住宅街となっています。上流部でも宅地化が進んでいます。金城ダム近くに架かるヒジ川橋は、沖縄県の文化財に指定されています。

歴史

中世以前、安里川の河口は安里付近にあり、西側は浅い入り江でした。1451年に長虹堤という堤防が築かれてから、堆積物が干潟を形成し、河口が西へ移動しました。この干潟は潟原と呼ばれ、塩田として利用されていました。

川幅が狭く、中流域で蛇行しているため、安里川は過去に何度も洪水を起こしています。特に1961年の台風23号では、死者4名、全壊家屋67戸、半壊家屋186戸という甚大な被害が発生しました。その後も1965年の台風15号、1973年の台風3号などで氾濫し、浸水被害が出ています。

これらの洪水被害を軽減するため、上流部に金城ダムが建設され、支流の真嘉比川には真嘉比遊水池が造られました。これらの施設は2001年に完成しています。しかし、2007年の集中豪雨でも氾濫が発生しており、下流部の河川改修の必要性が指摘されています。

流域の自治体

安里川の流域には、以下の自治体が含まれます。

沖縄県
那覇市
南風原町

参考文献

沖縄県土木建築部沖縄県ダム事務所監修　『金城ダム工事誌』　2001年
* 那覇市企画部文化振興課編　『那覇市史　通史編第1巻　前近代史』　那覇市役所、1985年

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