国政参加選挙

国政参加選挙とは

国政参加選挙は、1970年11月15日に琉球政府時代の沖縄で行われた選挙であり、日本の衆議院および参議院の議員を選出するものでした。この選挙は、沖縄返還協定の承認を目的として国会に特別委員会が設置されたことを受けて実施されたもので、選ばれた議員は協定の審議に参加しました。

背景

沖縄は長い間アメリカ合衆国の占領下にあり、日本本土との政治的なつながりは途絶えていました。しかし、1960年代後半から70年代初頭にかけて、日本国内では沖縄の復帰を求める声が高まりを見せました。国政参加選挙は、その一環として位置づけられ、沖縄の住民にとって国政に参加する貴重な機会となりました。

選挙の実施

この国政参加選挙は、沖縄住民の国政参加特別措置法に基づいて実施され、衆議院と参議院のすべての選挙区が沖縄県全体で1区として設定されました。衆議院の定数は5名、参議院の定数は2名とされ、それぞれの任期は特に重要な意味を持っていました。衆議院議員の任期は1973年12月26日までであったが、実際には1972年に衆議院が解散されることとなりました。一方、参議院議員の任期もそれぞれ異なり、1名は1971年7月3日まで、もう1名は1974年7月7日までの任期が設定されていました。

選挙の状況

選挙においては、新左翼を中心とした一部の政党が「沖縄解放」を掲げて選挙をボイコットしました。中核派や革マル派の学生たちは、投票のボイコットを呼びかける集会を各地で開催し、立法院の前で日の丸を焼く行為や、投票入場券に火をつけるパフォーマンスが行われました。これらの行動は、沖縄の民族的な立場を象徴するものとして注目されました。

当選者

国政参加選挙では、衆議院では以下の議員が選出されました。

• - 西銘順治（自由民主党）
• - 瀬長亀次郎（沖縄人民党）
• - 上原康助（日本社会党）
• - 國場幸昌（自由民主党）
• - 安里積千代（沖縄社会大衆党）

参議院では次の候補者が当選しました。

• - 喜屋武眞榮（革新統一候補）
• - 稲嶺一郎（自由民主党）

結論

国政参加選挙は、沖縄住民が日本の政治に参加できる初の機会であり、その後の沖縄の本土復帰に向けた大きな一歩を象徴するものでした。この選挙を通じて、沖縄の人々は自己の意見を政治に反映させる努力を進め、協定の批准に向けた動きが高まっていくことになります。

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