宍戸大全

宍戸大全（ししど だいぜん）について

宍戸大全（1929年11月24日生）は、日本のスタントマン兼俳優であり、福島県出身です。本名は宍戸邦博で、映画やテレビドラマでの活躍が特徴的です。特に、人気時代劇『水戸黄門』でおなじみの「風車の弥七」などの吹き替えを担当し、多くのファンに親しまれました。彼はスタントマンとしてのキャリアとともに、俳優としても多くの作品に出演してきました。

来歴

1948年に福島県立保原中学校を卒業後、当初はオリンピック選手を目指して日本体育大学に進学しましたが、練習中にアキレス腱を痛めて夢を断念。卒業後は、高校の体育教師としての道を歩いていました。しかし、1956年に大映京都撮影所の長谷川一夫主演の作品でスタンド・インとして臨時出演したことがきっかけで大映に入社。市川雷蔵をはじめとするスターハリウッド俳優のスタンド・インとして活躍しました。

1961年には岡田茂東映京都撮影所長に招かれて、東映に移籍。ここでも映画やテレビの脇役、吹き替えの仕事に精を出しました。スタントマンとして活躍する中で、宍戸は1962年に初の本格的忍者アクションを考案し、日本の忍者映画のスタント文化を築くことに貢献しました。

忍者ブームとアクションへの道

当初、スタントの仕事はそれほど多くなかった彼ですが、1962年からの忍者ブームの台頭によって一変します。忍者映画においては、従来のトリックだけではなく、実際に身体を使ったアクションが求められるようになったため、宍戸が主演俳優の身替わりとしての需要が高まりました。彼は映画『鳥人鷹』のための準備に取り組み、独自のアクションデモクラブを設立し、厳しい特訓を重ねました。

さらに、1963年にアメリカのコメディ[[映画]]『おかしなおかしなおかしな世界』を観た際、宍戸は日本においてより安全で充実したスタント環境が整うことを願っていました。

フリーランスと後進の指導

1970年にはフリーとして独立し、多くの時代劇作品に特技スタッフとして参加しました。彼のクレジットは「特技 宍戸大全」として多くの作品に表示されました。1973年からはジャパンアクションクラブ（JAC）と業務提携を結び、後輩たちにスタントの技術を教える立場にもなりました。

1990年、嬉野温泉で開業されたテーマパークの施設や「はがくれ忍者屋敷」をプロデュースし、忍者ショーを行うなど、新たな活動も展開していきました。宍戸は2012年に引退を発表しましたが、一番弟子の森山陽介が彼のアクションチームを引き継いで、活動を続けています。

出演作品

宍戸大全は多数の映画やテレビドラマに出演しました。代表的な作品には、映画『大忍術映画 ワタリ』や『極悪拳法』、テレビドラマ『銭形平次』や『必殺シリーズ』などがあります。彼は日本の映画界において、スタントマンとしての地位を確立し、特に忍者アクションにおける革新をもたらした重要な人物です。

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