宗義和

宗義和の生涯と藩政の変遷

宗義和（そう よしより）は対馬国府中藩の第15代藩主であり、また宗氏の34代当主でもあります。文政元年、1818年8月4日に第13代藩主である宗義質の次男として誕生しました。彼の幼少期は、初めは叔父である暢孫質直の養子として育てられ、その後、宗家の一族で樋口家に養子に出されました。この時期、長兄で第14代藩主の義章から偏諱を受け、章貞と名乗ることになります。

しかし、時が経つにつれて義章が1842年に亡くなると、義和は末期養子として家督を継ぐこととなります。彼はその際、従四位下・侍従・対馬守に叙位され、名を義和に改めました。このとき樋口家は弟の和理が相続することになりました。

国政を背負うこととなった義和は、父の時代から続く藩政の混乱を解決すべく取り組みましたが、財政再建を中心に試みた改革は成功しませんでした。その結果、彼は世子と考えていた善之丞（後の宗義達）を廃嫡し、自身が愛した側室・碧との間に生まれた勝千代を世子に立てました。しかしこの人事は大きな家族内の争いを引き起こします。結果的に勝千代は1859年に若くして亡くなり、義達が再び世子となる運命を迎えます。義達派が力を取り戻す中、碧は1860年に追放されました。

その後、文久元年、1861年にロシア艦による対馬占領事件が勃発します。この出来事を契機に、江戸家老の佐須伊織は幕府に対し対馬を公儀御料とし、宗氏が別の土地に移されるよう密かに嘆願しました。しかし、その計画が露見してしまい、伊織は尊王攘夷派の義党によって暗殺されるという悲劇が起こります。この暗殺事件は義党に勢いを与え、藩政の主導権が義党に移行します。文久2年（1862年）には、長州藩との間で対長同盟を結ぶなどして、義党が藩政の刷新を求めるようになります。

こうした中、義和は最終的に家督を譲り、1863年に隠居します。その後、廃藩置県を経て、小茂田湊神社や海神神社の宮司、さらには長崎皇典購究分所の監督を務めることになります。また、健康を寄与し、明治18年には正四位、明治23年には従三位に昇叙されました。しかし、1885年、73歳で生涯を閉じました。

藩主としての業績

宗義和は、藩政における多くの変革を経験しましたが、政治的な困難と個人的な対立が重なり、彼が望んだ改革は実現には至りませんでした。特に、家督相続の問題や世子を巡る争いは、彼の政治の舵取りに多大な影響を与えました。

生涯を通じて、宗義和は様々な役職を務め、確固たる大名としての地位を築く努力をしました。特に明治時代に入って以降は、時代の変化に応じた役割を果たし続けました。

栄典と家族

宗義和が受けた栄典は、1885年の正四位、1890年の従三位です。彼には多くの子女がいましたが、その中でも特に宗義達が注目される存在でした。また、義和の側室たちとの関係も家系に多くの影響を与えました。

結論

宗義和の生涯は、日本の歴史における動乱の時代を反映するものでもありました。彼の生き様、特に藩政における試行錯誤や戸惑いは、当時の社会状況をよく示しています。彼の物語は、ただの一名の藩主の人生ではなく、大名として生きるために奮闘した日本の一片でもあるのです。

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