官吏分限令

官吏分限令について

「官吏分限令」は、明治32年に制定された勅令であり、当初は「文官分限令」という名称で知られていました。この法律は、文官任用令の下にある官吏の身分の保障に関する重要な規定を定めるものです。1946年にはその名称が改められましたが、基本的にはその内容は維持されています。

官吏分限令は、国家公務員法の施行に伴い次第にその実効性を失っていきましたが、基本的な枠組みは長年にわたり存在し続けました。1952年には人事院規則11-4が制定され、官吏分限令の下にあった一般職の職員は、この新たな規定の適用を受けることになりました。

概要

この法律は、特に文官任用令の適用を受ける官吏に対してその自由な任用を受け入れることができるため、親任官には適用されません。それに対して、一般文官についてはこの令に基づく様々な規定が存在します。

免官

免官に関しては、官吏は禁錮以上の刑罰、もしくは懲戒免官の処置がなければ、その職務を失うことはありません（第2条）。官吏が免官される理由には以下が含まれます。

• - 身体的または精神的な衰弱により職務が果たせない場合。
• - 傷病を負った結果、職務を続けることが不可能な場合。
• - 官制や定員の変更による過員が発生した場合（第3条第1項）。

退官

退官は次のような場合に行われます。

• - 廃官や廃庁が発生した場合。
• - 官制や定員の変更により過員が生じた場合や、官庁の業務の都合により休職が命じられ、その満期が来た場合（第4条、第5条）。

休職

休職についての規定もあり、次のようなケースで命じられます。

• - 懲戒委員会による審査に付されたとき。
• - 刑事事件に関して告訴や告発を受けた場合。
• - 官制や定員の変更により過員が生じたとき。
• - 官庁の業務の都合による必要がある場合。

休職の期間については、事件が審査中の場合や官庁の業務都合によるものではそれぞれ上限が設けられています（第11条）。休職中の官吏には俸給の3分の1が支給されることも規定されています（第13条）。

なお、休職の命令は内閣総理大臣やその下部の本属長官によって行われますが、場合によっては復職命令も迅速に行われることがあります。

改正

1932年にはこの法律の第11条に重大な改正が加えられ、官庁の業務都合による休職命令は高等官の場合に文官高等分限委員会の諮問を受けることが必要となりました。この委員会は内閣総理大臣が会長を務め、高審院の長官や各種の行政機関の長官から成る構成となります。なお、本人が同意する場合には諮問を省略できる規定もあります。

まとめ

官吏分限令は、官吏としての身分をさまざまな事情において保障するための規定を設けており、特に文官の安定した職業生活を構築するための重要な法律として位置づけられています。現在でもこの法律は、変化し続ける国家公務の中で、その意義を見直され続けています。こういった規定が官吏の身分とその行動の基盤を形成している点は重要なほか、今後の法律の行方にも大きな影響を及ぼすでしょう。

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