宝塚球場

宝塚球場の歴史と概要

宝塚球場（たからづかきゅうじょう）は、1922年から1937年までの間、兵庫県川辺郡小浜村（現在の宝塚市）に存在した野球場です。この球場は、当時の阪急電鉄が地域の観光地としての整備を進める中で、スポーツセンターの一環として整備されたものであり、開場当初から様々なスポーツイベントが行われていました。

歴史的背景

1922年6月、箕面有馬電気軌道（現在の阪急電鉄）が全線開業したのを機に、宝塚エリアは観光地としての整備を急ピッチで進められていきます。宝塚新温泉や遊園地、動植物園などが設置される中で、スポーツ施設として野球場、テニス場、陸上競技場を含むスポーツセンターがオープンしました。これにより、地域の発展とともにスポーツ文化も根付くこととなりました。

1923年には、日本フットボール優勝大会がこの地で開催され、サッカーやラグビーの普及にも寄与しました。さらに1924年、日本運動協会の解散を受けて、宝塚運動協会が設立され、宝塚球場はその活動の拠点となりました。この協会は当初ノンプロ組織との交流も行っていましたが、野球文化が成熟していなかった当時の状況から、わずか5年後の1929年には解散せざるを得ませんでした。

職業野球の成立と活躍

1936年には、阪急職業野球団（現在のオリックス・バファローズ）が設立され、この球場を本拠地としてプロ野球の公式戦が行われるようになります。この年は特に活発で、13試合が開催されました。以下はその試合結果の一部です。

• - 5月22日: 阪急軍 6 - 5 大東京軍
• - 5月23日: 大東京軍 5 - 13 東京セネタース
• - 5月24日: 東京セネタース 13 - 2 名古屋軍

秋季には大阪大会トーナメント戦も開催され、名古屋金鯱軍や東京巨人軍との対戦が展開されました。阪急軍は活躍を見せましたが、1936年の秋季大会では東京巨人軍に3位決定戦で敗れました。

解体とその後の跡地利用

しかし、1937年5月に阪急西宮球場が完成すると、宝塚球場はその役割を終え、解体されることになります。解体後の跡地は宝塚映画製作所の第一撮影所として利用されることになり、1938年にはその撮影所が完成しました。後にこの地域は宝塚ファミリーランドとして再整備されるなど、観光施設としての役割も果たしました。

文化的影響

興味深いことに、1989年に発売されたファミスタ'90というコンピュータゲームには「たからづか球場」という名前の架空の球場が登場しますが、これは実質的には阪急西宮球場がモチーフになっているお話しです。このように、宝塚球場は直接の存在こそ消失しましたが、その歴史や影響は今なお野球文化や地域への影響として残っています。

まとめ

宝塚球場は、短い期間ではありましたが、兵庫県内での野球の発展に寄与した意義深い施設です。その歴史は地域の観光振興とも深い関わりがあり、記憶に残るスポーツ施設として語り継がれています。

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