実験品家族 -クリーチャーズ・ファミリー・デイズ-
香港の
漫画家であるYanaiによって生み出された本作は、台湾のコミック配信サイト『日更計画』にて連載が開始された人気作品です。日本では
新潮社の月刊誌『月刊コミック@バンチ』にて、2017年12月号より日本語版の連載がスタートしました。その後、『
月刊コミックバンチ』へのリニューアルを経て、2019年4月号をもって一旦完結しましたが、作者は単行本最終巻の巻末にて、いつか続きを発表したいとの意向を示しています。
あらすじ
物語の主人公は、タニスを末弟とする5人の兄弟です。彼らは、常軌を逸した研究を行うマッドサイエンティストの両親によって、外界から隔絶された孤島の研究所に幽閉され、様々な実験の被験体として育てられていました。しかし、ある日、両親が警察によって拘束されたことで、彼らの特異な生活は突然の終わりを迎えます。
初めて一般社会に足を踏み入れた兄弟たちでしたが、末っ子のタニス以外の4人の兄姉は、両親が行った実験によってそれぞれ特異な身体能力や能力を身につけていました。さらに、彼らは一般社会で生活するために必要な知識や経験を全く持ち合わせていなかったため、行く先々で数々のトラブルを引き起こしてしまいます。天才的な頭脳を持つタニスは、そんな兄姉たちが巻き起こす騒動に日々苦労しながら、新たな生活への適応を試みます。
主な登場人物
タニス: 声 -
杉山里穂。一家の末弟である11歳の少年。幼い頃から突出した知能を示していたため、身体的な改造を免れました。しかし、極度の方向音痴という欠点があります。両親の逮捕を機に外部の世界に興味を持ちますが、兄姉たちが引き起こす騒動の対応に追われます。
アシス: 声 -
早見沙織。16歳になる一家の長女。植物の遺伝子を組み込まれており、自身の意思で植物を自在に操り、生やすことができます。楽観的で穏やかな性格をしており、双子の妹アイスリとは良好な関係を築いています。弟のタニスを「タニスちゃん」と呼んで可愛がっています。
アイスリ: 声 -
森なな子。一家の次女で16歳。アシスとは双子の姉妹です。クモの遺伝子が埋め込まれており、背中から4本のクモの脚を生やすことができるほか、昆虫類を好んで食します。自由を愛し束縛を嫌う性質で、社会への順応を目指すタニスとは意見が衝突することが多いです。
スイシ: 声 -
生田善子。14歳の一家三女。改造によって読心能力を獲得した結果、他者への信頼を失い、家族でさえ彼女の複雑な心情を完全に理解することは困難です。
スノー: 声 -
浪川大輔。一家の長男で17歳。犬と融合させられた結果、人間、犬、そして半獣という三形態に変身可能です。人間形態の時は落ち着いた佇まいですが、犬形態では一般的な犬よりも賢いものの、臆病で雷を非常に恐れるという一面があります。
スミレ: 声 -
久保ユリカ。タニスが初めて一目惚れする少女。
書誌情報
日本語版単行本は、
新潮社より〈
BUNCH COMICS〉レーベルで刊行されました。全2巻が発売されており、その情報は以下の通りです(2019年3月10日現在)。
第1巻:
2018年4月9日発売、ISBN 978-4-10-772064-1
第2巻:2019年3月9日発売、ISBN 978-4-10-772164-8
テレビアニメ
2018年4月から6月にかけて、TOKYO MXを含む各局でテレビアニメシリーズが放送されました。
主要キャストのうち、タニス、アイスリ、スイシの担当声優は
2018年1月20日発売の『月刊コミック@バンチ』3月号で発表され、アシスとスノーの担当声優は同年2月21日発売の4月号で公開されました。放送開始の前週には、本編の導入となる「放送直前スペシャル第0話」がオンエアされるというユニークな形式が取られました。また、番組後半には、出演キャスト(
杉山里穂、
森なな子、
生田善子)による実写バラエティコーナー『実験品付録』が放送されました。
スタッフ
原作・キャラクター原案:Yanai
監督・シリーズ構成・編集:危天行
脚本:蔡志恒
アニメーションキャラクターデザイン:李相美
美術監督:李周映、姜信栄
色彩設計:李鮮浩
撮影監督:陳驍
音楽:ゆうゆ
音楽制作:
インクストゥエンター
音響監督:関智寛
音響制作:グルーヴ
録音スタジオ:スリーエススタジオ
アニメーション制作:大火鳥動画
製作:日更計画
主題歌
オープニングテーマ「Early Days」
作詞・作曲:
湊貴大 / 編曲:
齋藤真也 / 歌:
暁月凛
エンディングテーマ「春に落ちて」
作詞・作曲・編曲:keeno / 歌:
鹿乃
反響
オリジナル連載が行われた『日更計画』においては、その閲覧数が8500万PVを超えるほどの大きな反響を呼びました。
(本記述は、公開されている情報に基づいて作成されています。)