室戸岬灯台

室戸岬灯台

室戸岬灯台（むろとざきとうだい）は、高知県室戸市室戸岬町付近の高台に建つ白い鉄製の灯台です。この灯台は周囲が室戸阿南海岸国定公園に指定されており、美しい太平洋の景観を楽しむことができます。室戸岬灯台は、実効光度160万カンデラを誇り、光達距離は26.5海里（約49キロメートル）に及び、これは日本一の明るさです。また、灯台としては珍しい直径2.6メートルの第一等フレネル式レンズを装備した第1等灯台であり、その優れた光学性能が評価されています。そのため、「日本の灯台50選」にも選ばれ、海上保安庁によってAランクの保存灯台に指定されています。

歴史

この灯台は1899年（明治32年）に初めて点灯されました。その独特なデザインは白一色で塗装された鉄製であり、設立当初のまま原形を保っています。当初は石油ランプが使用されていましたが、1917年（大正6年）に電化され、電気灯台としての歴史が始まりました。

さらに、1934年（昭和9年）9月21日には室戸台風の影響で灯台レンズが損傷し、一時は機能を失いましたが、修理が行われその後再び運用が再開されました。しかし、1945年（昭和20年）3月には、太平洋戦争の最中、アメリカ軍の艦載機による攻撃を受けてしまい、灯台レンズには４つの弾痕が残っています。この戦争の影響も乗り越え、灯台は1953年に日本で初めて電動駆動装置を導入しました。

最近の歴史では、2016年（平成28年）に併設されていた室戸岬ディファレンシャルGPS局からの気象通報が廃止され、2019年（平成31年）には同局自体が閉鎖されました。

灯台データ

室戸岬灯台は明治32年（1899年）4月1日に設置され、日本で現役の鉄造灯台としては2番目に古いものです。高知県内では3番目の灯台で、明治16年に建設された高知灯台と明治17年の甲浦灯台に次ぐ位置になります。光学的特徴としては、レンズの高さが2.5メートル、焦点距離は92センチメートルで、光達距離は26.5海里（約49キロメートル）です。灯室は毎10秒に閃光を放つ閃白光を提供し、その光度は160万カンデラに達します。

灯台の高さは15.4メートルで、水面から灯火までの高さは154.7メートルとなっています。建設時の資材は帆舟を使い、陸揚げされてから専用のレールで運ばれました。この灯台の建設費用は当時18282円60銭9厘とされています。

付属施設

灯台には無線方位信号所や、かつて存在したディファレンシャルGPS局、船舶気象通報の送信設備がありましたが、現在はそれらの多くが廃止されています。

アクセス

室戸岬灯台へは、土佐くろしお鉄道阿佐線（ごめん・なはり線）の奈半利駅から高知東部交通の室戸世界ジオパークセンター行きのバスで約58分の距離です。スカイライン入口で下車し、そこからは徒歩で20分ほどで灯台に到着します。最御崎寺を経由する参道を進むことができます。

周辺の見どころ

灯台周辺には最御崎寺や、中岡慎太郎像などの観光名所があります。また、毎年11月の最初の土曜日には「灯台まつり」という行事が行われ、内外が一般公開されるほか、バザーも開催されます。このように、室戸岬灯台はその美しさだけでなく、歴史的な意義も持つ特別な場所です。

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