宮古港駅

宮古港駅の歴史と周辺環境

宮古港駅（みやここうえき）は、かつて岩手県宮古市鍬ヶ崎に存在した貨物駅です。この駅は日本国有鉄道（国鉄）山田線の一部であり、1943年に開業しました。主にラサ工業田老鉱山で採掘された鉱石や、宮古港で水揚げされた海産物、水産加工品を扱っていました。

開業から廃止までの年表

• - 1943年（昭和18年）11月22日: 宮古臨港線の貨物支線の開業に伴い、宮古港駅が開業しました。
• - 1984年（昭和59年）2月1日: 貨物支線が廃止され、同時に宮古港駅も廃止されました。

このように、宮古港駅は41年間にわたって運行されていました。開業当初は、鉱石の輸送拠点としての役割が大きく、特にラサ工業の鉱石貯蔵施設が駅の西側にあり、鉱石運搬のための引込み線が駅からホッパーまで繋がる形となっていました。そして、田老鉱山から運ばれる鉱石は、この駅を通じて様々な用途に利用されました。

駅構造

当駅の構造は、宮古駅からの貨物支線がスイッチバックの形で接続していました。駅の周辺にはラサ工業の鉱石貯蔵施設があり、鉱石の運搬が頻繁に行われていました。かつては、鉱石貯蔵施設からは索道が田老鉱山へと延びていましたが、田老鉱山が1971年に閉山した際には、この索道も取り壊されました。

周辺環境

宮古港駅は出崎埠頭の北側に位置していました。その周辺には以下のような施設や自然があります:

• - 宮古市魚市場
• - 岩手県道259号崎山宮古線
• - 宮古漁協ビル
• - 道の駅みやこ（みなとオアシスみやこ）
• - 宮古港
• - 宮古湾
• - 閉伊川

これらの施設は、地域の漁業や観光業に大きく寄与しています。

廃止後の現状

宮古港駅が廃止された後、駅跡地は宮古市魚市場として利用されています。また、近くには鉱石貯蔵施設の遺構が一部残っており、地域の歴史を物語っています。

SLリアス線「しおかぜ号」

さらに興味深いのは、1987年から1989年にかけて、宮古駅から当駅間の廃線跡を利用したSLリアス線「しおかぜ号」が運行されていたことです。この運行には、C10 8の蒸気機関車が牽引し、臨時駅としてはまぎく駅、ミニ浄土ヶ浜公園前駅、うみねこ駅の3駅が設置されました。これにより、地域の鉄道の歴史が再び注目されることとなりました。

まとめ

宮古港駅は、地域の産業に貢献し続けた重要な貨物駅でした。その歴史は、地域の経済や文化に深く根ざしており、現在でもその名残を感じさせてくれます。廃止後も、その跡地や遺構が地域の意義を維持する役割を果たしています。

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