宮島連絡船

宮島連絡船の概要と歴史

宮島連絡船（みやじまれんらくせん）は、広島県廿日市市に位置する宮島口桟橋と、同市にある宮島桟橋を行き来するJR西日本が運行する航路です。この航路は鉄道連絡船として知られていますが、実際には鉄道線を直接挟むものではなく、観光客や地域住民の交通手段として重要な役割を果たしています。

航路の歴史

この航路の始まりは、江戸時代にさかのぼります。その後、1897年に広島市の実業家である早速勝三が赤崎海岸に桟橋を設置し、宮島との航路を開設しました。これにより「宮島連絡船」の基礎が築かれました。1999年には厳島渡津合資会社が設立され、さらには宮島渡航株式会社が事業を引き継ぎました。1903年には山陽鉄道が経営に乗り出し、以降、運航は鉄道連絡船として発展していきました。

1949年には日本国有鉄道法に基づき、国有鉄道（国鉄）に移行し、1974年には旅客運輸営業に特化した事業に改編されました。1987年に国鉄分割民営化が行われ、その後はJR西日本へと移管されました。2009年にはJR西日本の完全子会社であるJR西日本宮島フェリーが事業を受け継ぎ、現在に至ります。

航路運営と運賃

宮島連絡船は、日々の運航が続けられ、朝から夜まで頻繁に便が出ています。利用者にとっては、便利な交通手段であると同時に、宮島訪問の際には欠かせない存在となっています。運賃は片道大人200円、子供100円で、障害者割引も設けられています。また、競合である宮島松大汽船と同額の料金が設定されています。これに加え、2023年より宮島訪問税が運賃に組み込まれることとなりました。

自動車航送とICカード対応

自動車の航送も行っており、さまざまなサイズの車両に対応した料金体系が整えられています。また、自転車やオートバイの航送も可能で、それぞれ専用の運賃が設定されています。さらに、昨今の交通ICカードの普及に対応し、PASPYやICOCAを利用した乗船も可能です。ただし自動車航送にはICカードは使用できません。

船舶について

現在運航されている船舶はすべて自動車を搭載可能なフェリーです。特に現在の「みやじま丸」は2006年から運航を開始し、その革新的なデザインが注目されています。松大汽船との干渉を避けるために、航路の設定が工夫されており、多客時には便数も増加するなど、利用者のニーズに応えています。

まとめ

宮島連絡船は、広島県廿日市市から宮島へと続く重要な交通手段です。その提供する利便性と歴史的背景は、多くの人々に親しまれてきました。観光名所である厳島神社やその周辺とのアクセスを支えるこの航路は、地域の発展にも寄与しており、これからも多くの人々に利用されることでしょう。

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