宮崎県立日南農林高等学校

宮崎県立日南農林高等学校

宮崎県日南市南郷町に位置していた宮崎県立日南農林高等学校は、その長い歴史に幕を閉じました。1897年に創立されたこの学校は、地域の農業教育に大きく貢献し、多くの卒業生を社会に送り出してきました。

概要

日南農林高校は、南那珂地区の生徒数減少という課題に直面し、2009年から生徒募集を停止しました。その後、宮崎県立日南振徳高等学校への機能統合を経て、2011年3月に閉校。114年の歴史に終止符を打ちました。

歴史

学校の歴史は、1897年（明治30年）に「組合立飫肥農業補習学校」として始まったことに遡ります。その後、農学校への昇格、県立移管、そして戦後の学制改革を経て、1951年に「宮崎県立日南農林高等学校」として新たなスタートを切りました。

1967年には、旧南郷園芸高等学校との統合により「宮崎県立日南農林第二高等学校」が新設されました。その後、1969年に再び「宮崎県立日南農林高等学校」と改称されました。

設置課程・学科

閉校時の学科は以下の通りでした。

全日制課程
生物工学科
森林科学科
福祉科

これらの学科では、専門的な知識や技術を学ぶことができ、地域社会に貢献できる人材育成を目指していました。

校訓・校章・校歌

校訓: 「誠実・勤勉・創造」
校章: 柑橘の葉と実、杉の木を図案化したもの
校歌: 作詞: 黒木淳吉、作曲: 海老原直。歌詞には「日南農林高校」が登場します。

これらの要素は、学校の精神や特徴を象徴していました。

部活動

旧南郷園芸高校時代には、全国高等学校ラグビーフットボール大会に出場した実績もあります。部活動は、生徒たちの自主性や協調性を育む場として重要な役割を果たしていました。

沿革

1897年: 組合立飫肥農業補習学校として創立
1900年: 組合立飫肥農学校と改称
1922年: 宮崎県飫肥農学校に改称
1948年: 宮崎県立吾田高等学校となる（油津水産学校と統合）
1951年: 宮崎県立日南農林高等学校として独立
1967年: 宮崎県立日南農林第二高等学校となる（南郷園芸高等学校と統合）
1969年: 宮崎県立日南農林高等学校に改称
2009年: 生徒募集停止
2011年: 閉校

跡地の活用

閉校後、跡地には社会福祉法人大樹会による総合福祉施設「南風の丘」が開設されました。ここでは、障害福祉サービスや老人デイサービス、高齢者向け住宅事業など、地域社会のニーズに応える様々な事業が展開されています。

交通アクセス

鉄道: JR九州 日南線 南郷駅
バス: 日南市コミュニティバス 上中村バス停
* 道路: 国道220号 南郷中央公園入口交差点

周辺情報

学校周辺には、南那珂農業改良普及センター、日南市立南郷小学校・中学校、南郷中央地区公園、日南市南郷スタジアムなどの施設があります。

日南農林高校は閉校しましたが、その歴史と精神は、卒業生や地域住民の心の中に生き続けています。そして、跡地に建設された福祉施設が、新たな形で地域社会に貢献しています。

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