宮田町 (福岡県)

宮田町（みやたまち）

宮田町は、かつて福岡県鞍手郡に存在した町です。2006年2月11日に若宮町と合併し、宮若市となり、その歴史に幕を閉じました。合併前の宮田町は、福岡県のほぼ中央に位置し、福岡市と北九州市という二つの政令指定都市の中間にありました。

歴史

宮田町の歴史は古く、大化の改新（645年）の際には、宗像大社に寄進され、宗像神郡の一部となりました。1221年には、周辺一帯が宗像大社の神領となり、「宮田」と呼ばれるようになったとされています。

近世に入り、1889年の町村制施行により、宮田村、香井田村、笠松村が誕生しました。その後、1926年に宮田村が町制を施行し、宮田町となりました。1927年には香井田村を編入、1955年には笠松村の一部と合併し、さらに若宮町の一部を編入しました。これらの変遷を経て、2006年に若宮町との合併に至り、宮若市が誕生、自治体としての宮田町は消滅しました。

産業

宮田町は、明治時代以降、石炭産業で大きく発展しました。特に、貝島太助が興した貝島炭砿は、町の経済を支える重要な存在でした。しかし、度重なる坑内爆発事故を経験しながらも、炭鉱は町の基幹産業として成長を続けました。

昭和30年代には、人口が5万人を超えるなど、炭鉱都市として繁栄を極めました。しかし、エネルギー革命の波により、多くの炭鉱が閉山に追い込まれ、1976年には筑豊最後の炭鉱であった貝島炭砿も閉山し、町は衰退しました。しかし、1992年にトヨタ自動車九州が工場を操業開始したことを機に、関連企業が進出し、新たな産業基盤を築きつつあります。

現在、町内には以下の企業が工場を構えています。

トヨタ自動車九州（車両製造）
トヨタ紡織九州（車両内装部品製造）
トヨテツ福岡（溶接部品製造）
東芝LSIパッケージソリューション（LSIの開発・製造）

交通

交通面では、山陽新幹線が町内を通過していますが、駅は設置されていません。かつては、九州旅客鉄道（JR九州）の宮田線が町内を走っていましたが、1989年に廃止されました。

宮田線：磯光駅 - 筑前宮田駅


また、かつては、貝島炭礦の石炭輸送を目的とした貨物線や専用鉄道も存在しましたが、現在はすべて廃止されています。

バス路線としては、JR[[九州バス]]の直方線や、宮田町乗合バス（地元観光バス・タクシー会社に委託運行）が運行していました。

道路は、一般国道は存在せず、九州自動車道が町内を通過しており、宮田スマートインターチェンジが設置されています。



福岡県道21号福岡直方線
福岡県道30号飯塚福間線

教育機関

宮田町には、以下の教育機関がありました。

高等学校

福岡県立鞍手竜徳高等学校

中学校

宮田町立宮田中学校
宮田町立宮田西中学校
宮田町立宮田光陵中学校

小学校

宮田町立宮田小学校
宮田町立宮田北小学校
宮田町立宮田南小学校
宮田町立宮田東小学校
宮田町立笠松小学校

観光名所

宮田町には、歴史と文化を感じられる観光スポットがありました。

笠木城跡
善光王寺
石炭記念館
所田温泉
権現山

出身著名人

宮田町は、多くの著名人を輩出しています。

山近剛太郎（炭鉱技術者・洋画家）
高山倫明（言語学者）
リリー・フランキー（イラストレーター・作家）
井上誠吾（脚本家）
前田俊彦（旧・延永村長）
KENZO（ダンサー・DA PUMPメンバー）

参考文献

『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

福岡県の廃止市町村一覧

外部リンク

宮田町ホームページ（2005/12/24アーカイブ）
* 宮田町・若宮町合併協議会 ホームページ

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