宮田線

宮田線

宮田線は、かつて福岡県鞍手郡に存在した、九州旅客[[鉄道]]（JR九州）の鉄道路線です。勝野駅から筑前宮田駅までを結ぶ、全長5.3kmの短い路線でした。この路線は、筑豊炭田の石炭輸送を主な目的として開通し、地域の発展に大きく貢献しました。しかし、炭鉱の閉山とともにその役割を終え、1989年に全線が廃止されました。

路線概要

宮田線は、全線が単線で非電化の路線でした。起点の勝野駅と終点の筑前宮田駅を含め、駅数はわずか3駅でした。全線が福岡近郊区間に含まれていましたが、地方交通線としての役割を終え、その歴史に幕を閉じました。

路線データ

路線距離: 勝野 - 筑前宮田間 5.3 km
軌間: 1067 mm
駅数: 3駅（廃止時）
複線区間: なし（全線単線）
電化区間: なし（全線非電化）

歴史

宮田線の歴史は、筑豊炭田の隆盛と深く結びついています。1902年（明治35年）、貝島炭鉱からの石炭輸送を目的として、九州[[鉄道]]により貨物線として開通しました。その後、国有化を経て、1912年（明治45年）に旅客営業を開始し、桐野線として独立しました。

1937年（昭和12年）には、終点の桐野駅が筑前宮田駅に改称され、線名も宮田線と改められました。最盛期には、各駅から総延長20kmにも及ぶ専用[[鉄道]]が伸びていましたが、石炭政策の変化とともに衰退し、1976年（昭和51年）に最後の炭鉱が閉山したことで、貨物輸送は完全に失われました。その後、旅客輸送も減少し、廃止へと向かいました。

年表

1902年（明治35年）2月19日：九州[[鉄道]]が勝野 - 宮田間 (3M29C) の貨物線を開業。
1904年（明治37年）：宮田駅を桐野駅に改称。
11月25日：勝野 - 菅牟田間 (2.7M) の支線開業。
1907年（明治40年）7月1日：買収・国有化。
1912年（明治45年）7月21日：勝野 - 桐野間 (3.2M) の旅客営業を開始。勝野 - 桐野間、磯光 - 菅牟田間を桐野線と改称。
1937年（昭和12年）8月20日：宮田線と線名を改称。桐野駅を筑前宮田駅に改称。
1977年（昭和52年）7月20日：磯光 - 菅牟田間 (2.2 km) の貨物支線を廃止。
1982年（昭和57年）11月15日：勝野 - 筑前宮田間 (5.3 km) の貨物営業を廃止。
1989年（平成元年）12月23日：全線 (5.3 km) を廃止。

駅一覧

宮田線には以下の3駅が存在しました（廃止時）。

1. 勝野駅
2. 磯光駅
3. 筑前宮田駅

輸送実績

宮田線は、石炭輸送の減少とともに旅客輸送も減少していきました。

代替交通

宮田線の廃止後、代替バスが運行されました。西日本鉄道とJR九州バスが運行を開始しましたが、後に西鉄バスは廃止され、JR九州バスも運行経路が変更され、勝野駅から磯光・宮田への直通バスはなくなりました。現在は西鉄バス筑豊が一部区間を代替しています。

廃止後の状況

宮田線の廃止後、線路跡は一部が道路化されたり、駐車場になったりしましたが、多くは荒れ地のまま残されています。筑前宮田駅跡には、長大なホームが残っており、かつての鉄道の姿を偲ばせます。磯光駅の跡は道路化され、その痕跡はほとんど残っていません。

エピソード

リリー・フランキーの小説が原作のテレビドラマ「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」に登場する「筑前宮原駅」は、宮田線の終点であった筑前宮田駅がモデルとなっています。

参考文献

曽根悟（監修）（著）、朝日新聞出版分冊百科編集部（編集）（編）「筑豊本線・日田彦山線・後藤寺線・篠栗線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第4号、朝日新聞出版、2009年8月2日。

関連項目

日本の廃止鉄道路線一覧
* 廃線

もう一度検索