富井健

富井 健（とみい たけし）について

富井健（1957年 - 2021年）は、日本のキリスト教再建主義の神学者および教役者であり、その活動は特に教育や宗教における新しい視点を提唱するものでした。北海道帯広市で生まれた彼は、9歳の時にバプテスト教会で洗礼を受けます。この早い段階での信仰の確立が、後の彼の神学的活動に大きな影響を与えました。

教育面では、1976年に札幌南高等学校を卒業した後、1982年に東京外国語大学を卒業。その後、1988年には東京神学校を卒業し、聖書キリスト教会の牧師として活動を開始しました。このころ、神学校の卒業論文に参考したのが、アメリカの再建主義者ラッシュドゥーニーによる「聖書律法綱要」であり、ここから彼の再建主義との深い関わりが始まります。

再建主義運動における重要な人物として、富井はラルフ・A・スミスと出会い、彼が設立した福音総合研究所で聖書律法綱要の読書会に参加しました。しかし、聖書キリスト教会内での倫理的問題や教義の対立により、富井は1990年に教会の牧師を辞任し、三鷹福音教会に転入します。しかし、その後も神学的な見解の違いから脱会することになります。

2001年には、月刊誌『ハーザー』で前千年王国説および患難前携挙説を巡る論争を展開し、さらにネット上でも他の信者と論争を交わしました。自身のウェブサイト「ミレニアム」では、再建主義に関する論文や翻訳を発表し、オンラインで活動を行いましたが、伝統的な教会での牧師職の活動は行っていませんでした。

また、2002年に『ハーザー』で特集された「死後に救いのチャンスはあるのか？」については、他の意見に対して反論を展開。さらに、教育面ではホームスクーリングが聖書に基づく教育手段であると主張し、その重要性について自身のサイトで言及しています。彼は「ポスト・ミレで教育し続けるならば、あなたの子孫は地上を支配する強大な権力を持つ家系になる」と述べ、教育の責任を強調しました。

日ユ同祖論についても慎重かつ詳細な調査を続け、その結果を公表しています。自身の神学的視点から、教育や政治、宗教に関する鋭い指摘を行い、その幅広い知識を持つ学者として多くの人に影響を与えてきました。

富井の訳書としては、ラッシュドゥーニーの『聖書律法綱要』があり、これは再建主義の理解を深めるための重要な資料となっています。彼の活動を通じて、再建主義や教育について考える視点が提供され、神学の分野においても多くの議論が生まれました。

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