富士急山梨ハイヤー

富士急山梨ハイヤー株式会社は、山梨県富士吉田市に拠点を構える富士急グループの一員として、主にタクシーおよび乗合タクシー事業を展開しています。その営業範囲は山梨県内の富士吉田、河口湖、山中湖といった富士五湖周辺地域から、都留、大月地区まで広範囲に及び、地域の重要な交通インフラを担っています。

当社の設立は1968年11月15日です。事業展開としては、2011年7月には富士山方面へのアクセス手段として重要な馬返バスの運行を開始しました。また、山梨県都留市における地域交通の課題解決に向け、2011年10月からデマンド型乗合タクシー（現在の予約型乗合タクシー）の実証運行に携わり、翌2012年10月1日からは「つる〜と東桂」、「つる〜と盛里」の2路線の本格的な運行を受託しています。

タクシー事業では、多様なニーズに対応するため様々な車両を保有しています。一般的な黒塗りの中型タクシー（4〜5名乗り）に加え、大人数に対応できるジャンボタクシー（9名乗り）があります。環境負荷低減や快適性向上を目指し、ハイブリッド車（トヨタ・プリウス、プリウスα）も導入しています。さらに、車椅子のまま乗車可能なユニバーサルデザインタクシーとしてトヨタ・ジャパンタクシーを配置し、どなたでも利用しやすい環境を整備しています。トヨタ・エスクァイアは6名乗りとして運用されており、これら特殊車両も含め、多くの場合、通常の中型タクシーと同等の運賃で利用可能です。

乗合タクシー事業として、富士山へのアクセスを支える「馬返バス」と、山梨県都留市から受託運行する「予約型乗合タクシー」があります。

「馬返バス」は、主に5月から10月にかけての土日祝日を中心に運行され、富士山駅と富士山吉田口登山道の馬返を結びます。この路線は登山シーズン中の重要な足となり、専用フリーパスや富士山駅〜馬返間の往復割引運賃が設定されています。過去には中の茶屋までの区間便や、富士急山梨バス（当時）の運行する世界遺産ループバスとの連携運行も行われていました。

都留市の「予約型乗合タクシー」は、「つる〜と東桂」と「つる〜と盛里」の2路線があり、市民の利便性向上を目的に毎日運行されています（年末年始を除く）。利用には事前の電話予約が必要で、予約は乗車日の1週間前から可能ですが、特に第1便は前日までに予約を済ませる必要があります。運賃は大人300円、小人150円で、障害者割引や回数券の設定もあります。ただし、既に富士急バスが運行する市内循環バスの区間内で乗り降りする場合は利用できない制限があります。これらの路線は、かつて富士急山梨バスが運行していた一部路線の休止に伴い、地域交通を維持・確保するために導入されました。実証運行は2011年に行われ、その経験が本格運行に活かされています。

事業を運営する拠点は、本社に併設された吉田営業所と、大月市にある大月営業所の二箇所です。吉田営業所は主に富士吉田、河口湖、山中湖エリアを担当し、大月営業所は大月および都留エリアの運行を担っています。馬返バスには9名乗りのワンボックスカーが使用されています。

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