富山昌克

園芸研究家 富山昌克

園芸研究家、園芸コンサルタント、バイオテクノロジスト、そして園芸著作家として多方面で活躍する富山昌克（とみやま まさかつ）氏は、1964年大阪府藤井寺市に生まれました。親しみやすい愛称「トミー」としても広く知られています。科学的な知見に裏打ちされた専門解説と、エン芸をも彷彿とさせるエンターテインメント性を融合させた独自のスタイルで、多くの人々から支持を得ています。

経歴と専門分野

富山氏は、地元の小中学校を経て大阪府立生野高等学校を卒業後、千葉大学園芸学部で学びました。その後、ハワイ大学熱帯植物生理学研究室に交換研究生として渡米し、植物に関する専門知識を深めました。幼少期から生物の進化に強い関心を抱いていた氏は、1982年以降、植物バイオテクノロジー研究を園芸分野に応用する活動に精力的に取り組んでいます。特に、植物のクローン増殖技術（メリクロン）、細胞融合、遺伝子組換えといった高度なバイオテクノロジーが専門分野です。ランの品種改良においては、世界各地の自生地を巡る探求を続けています。

多岐にわたる活動

富山氏の活動は、単なる研究の枠にとどまりません。

研究開発: 植物バイオテクノロジーを用いた新たな花の品種改良に加え、一般家庭でも洋ラン栽培が容易になる温室不要栽培法の開発、ビオトープ型アクアテラリウムの研究にも携わっています。また、ユニークな園芸資材・用品の開発も行っており、高山植物用の栽培ケース「アミール」、支柱曲げ器「曲げ太郎」、ナメクジ対策の「ナメクジ返し」、液肥混入器「らくこん」など、実用的なアイデアを形にしています。
メディア出演: NHK「趣味の園芸」をはじめ、多くのテレビ・ラジオ番組に出演し、専門的な内容を分かりやすく、時には軽妙な語り口で解説しています。視聴者を楽しませながら園芸の知識を伝える手腕は、「演芸研究家」と呼ばれるほどです。
主な出演番組（一部）：
NHK「趣味の園芸」
サンテレビ「手づくり花づくり」「手づくり花づくりプラス」
読売テレビ「かんさい情報ネット ten!」
NHK大阪放送局「ぐるっと関西おひるまえ」「富山昌克の週末ガーデニング」シリーズ
TBS「THE TIME,」など
教育活動: 大学、熟年大学、専門学校などで教鞭を執り、次世代の園芸家や技術者の育成にも力を入れています。担当科目は多岐にわたり、植物生理学、生物工学、園芸学各論（花卉、蔬菜、果樹）、植物栄養学、土壌学、形態学、分類学、遺伝学、育種学、病理学、さらにバイオ英語や環境工学など、専門分野の広さがうかがえます。また、オリジナルキャラクター「カトレアマン」を用いた園芸幼児教育も展開しています。過去には大阪動植物海洋専門学校の学校長も務めました。
執筆活動: 多数の著書を出版しており、専門書から一般向けの栽培ガイドまで幅広い内容を扱っています。日本農業新聞では日曜版に「トミーのわくわくガーデニング」を2016年から毎週連載中です。
主な著書（一部）：
『洋ランI 室内屋外管理』『洋ランII 温室管理』（保育社）
『ラン科植物のクローン増殖』（トンボ出版）
NHK趣味の園芸関連のコチョウラン、デンファレなどの栽培解説書
普及啓発: ガーデニングやオープンガーデンの普及活動を通じて、より多くの人々が植物に触れ、楽しむ機会を創出しています。難しい科学技術も平易な言葉で解説するため、全国各地から講演依頼が寄せられています。
経営・委員: バイテク研究所であるメリクロンアーツや富山蘭園奈良農場の代表を務める傍ら、一般社団法人花葉会幹部会、藤井寺市の緑化推進協議会や景観審議会、教育委員会など、地域の緑化や教育関連の委員も兼任し、社会貢献にも積極的です。

人物像

「トミー」として親しまれる富山氏は、その明るいキャラクターと、長年のバイオテクノロジー研究で培われた確かな知識に基づいた解説で人気を博しています。園芸を単なる技術論に終わらせず、エンターテインメントとして楽しませる独自のスタイルは、多くの園芸ファンを魅了しています。また、武道の経験もあり、玄制流空手道と修雲会空手道の二流派で黒帯を有するという意外な一面も持ち合わせています。

専門知識とユニークな個性を兼ね備えた富山昌克氏は、園芸の普及と発展に貢献し続けています。

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