寝た子も起きる子守唄

『寝た子も起きる子守唄』 - とんねるずの魅力が詰まった楽曲

1986年8月5日、とんねるずの8枚目シングル『寝た子も起きる子守唄』が発売されました。この楽曲は、彼らの初主演映画『そろばんずく』の主題歌として知られています。映画の公開と同時に、ラジオ番組での活発な宣伝活動も行われ、多くのファンに親しまれることとなりました。

このシングルは、一般的にとんねるずの楽曲はギャグやパロディの要素が強いことが多いですが、『寝た子も起きる子守唄』はそういった要素が少ない、いわば異色の作品です。またこの楽曲は、とんねるずのシングルとしては珍しく、秋元康や後藤次利といったおなじみの作家以外によって作られています。具体的には、作詞をきたやまおさむ、作曲を林哲司、編曲を中村哲が手掛けています。

歌詞には「子守唄」というフレーズがあり、この部分は「ララバイ」とも読ませる独特なセンスが感じられます。また、曲の中に隠された伏せ字部分に関しては、石橋貴明の「腹を掻くギター」と、木梨憲武の「ディエゴ・マラドーナ」を指していることが明らかになっています。これらのユーモラスな要素が、楽曲にさらなる魅力を加えています。

とんねるずはこの曲をテレビの歌番組でも披露し、時には過去のヒット曲の振付を取り入れていました。特にピンク・レディーの「ウォンテッド (指名手配)」や「渚のシンドバッド」、更には敏いとうとハッピー&ブルーの「星降る街角」など、幅広い楽曲に触れながらパフォーマンスを行う姿が見受けられました。特に『夕やけニャンニャン』での披露では、彼らの独特の遊び心が垣間見えます。

さらに、テレビ東京の『ここんちプラネッと!』に出演した際には、2番の歌詞を知らなかったため、即興で歌詞をアドリブする様子が見られました。木梨はバック転に挑戦したものの着地に失敗するなど、楽しいハプニングが繰り広げられ、観客を沸かせる一因となりました。

また、曲名において豊島たづみの「寝た子を起こす子守唄」と類似点があることが挙げられます。この楽曲は、阿木燿子が歌詞を、宇崎竜童が作曲を担当し、1979年にリリースされたものです。後々には加藤登紀子などがカバーする人気曲となりましたが、とんねるずの『寝た子も起きる子守唄』は、全く異なる楽曲であることを知っておくことが重要です。

収録曲

1. 寝た子も起きる子守唄
作詞：きたやまおさむ
作曲：林哲司
編曲：中村哲

2. 時代遅れのふたり
作詞：松井五郎
作曲：林哲司
編曲：新川博

『寝た子も起きる子守唄』は、とんねるずのキャリアにおける一つの特徴的な楽曲であり、ファンにとっては彼らの多様な表現力を味わうことができる貴重なシングルと言えるでしょう。

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