寺川正興
寺川 正興（てらかわ まさおき、1939年12月17日 - 2005年2月2日）は、日本の音楽シーンにおいて、ジャズベーシストとして、また多数のレコーディングに関わるスタジオミュージシャンとして活躍した人物です。その生涯を通じて、多くの名演を残しました。
東京都小石川に生まれた寺川正興は、東京都立芝商業高等学校で学びました。17歳頃になると、ジャズベーシストとして知られる金井英人に師事し、ベースの道を歩み始めます。高校時代はハーモニカバンドでベースを担当していました。卒業後、一時的に会社員として働きましたが、音楽への情熱を捨てきれず、プロのミュージシャンとなることを決意します。
プロとしてのキャリアは、澤田駿吾とダブルビーツへの参加から始まり、その非凡な才能が認められました。その後、宮沢昭、西条孝之介カルテット、八木正生トリオといったジャズグループを経て、ジョージ大塚トリオに加入。1969年度の音楽誌『スイングジャーナル』の人気投票でベーシスト部門第2位を獲得するなど、人気実力ともにトップクラスのベーシストとしての地位を確立しました。これらの活動と並行して、石川晶率いるカウントバッファローズやLOVE LIVE LIFEといったバンドにも参加し、精力的な活動を続けます。
1968年頃からは、スタジオミュージシャンとしても活動を開始。歌謡曲、アニメソング、特撮ヒーローの主題歌、映画音楽など、そのジャンルは極めて多岐にわたりました。正確で安定したベースラインは、多くの作品のサウンドを根底から支え、日本のポピュラー音楽の歴史において欠かせない存在となっていきます。
寺川正興の演奏は、音楽専門誌『スイングジャーナル』によって「はっきりとした音程、しっかりしたテクニックを持ち、音楽に大切な歌心がある」と高く評価されました。特に彼の特徴的な奏法として知られるのが、「エレベーター奏法」と呼ばれるものです。これはグリッサンド（音と音の間を滑らかにつなぐ奏法）を多用し、2オクターブもの音域を上下する独特のスタイルで、多くのレコーディングでその個性的なサウンドを響かせています。
また、共演者や関係者からは、音楽家としてだけでなく、人間的な魅力も語られています。編曲家の青木望は、彼を「野球、ゴルフ、マージャン、酒、その他何でもこいの人」であり、「おしゃれで、渋くこったものを買う人」だったと回想しており、幅広い趣味を持ち、粋な一面もあった人物像がうかがえます。
寺川正興は自身のリーダーアルバムを複数発表しているほか、数えきれないほどのアーティストの作品に参加しています。その活動範囲の広さは、ジャズ、ロック、歌謡曲、フォーク、アニメ・特撮ソングなど、まさに日本のポピュラー音楽全体に及びました。以下にその一部をリストアップします。
リーダー・アルバム
寺川正興とニュービート『Bass Bass Bass ドリフのほんとにほんとにご苦労さん』
寺川正興とニュービート『Bass Bass Bass 自由の女神』
寺川正興とニュービート、小山夏樹とニュービート『Bass Bass Bass 何があなたをそうさせた』
寺川正興・原田政長・石松元『ベース&ドラムス BASS AND DRUMS』
主な参加アルバム（一部）
ジョージ大塚トリオ『ページ・ワン』『ページ2』『ラスト・サマー～ページ3』
石川晶関連作品（カウント・バッファロー、カウントバッファローズなど）多数
LOVE LIVE LIFE関連作品多数
浅川マキ『MAKI II』
弘田三枝子『MIKO LIVE』など
アリス『ALICE IV』（一部楽曲）
泉谷しげる『光と影』（一部楽曲）
ガロ『GARO 3』（連名クレジット）
主な参加歌謡曲（一部）
森山加代子「白い蝶のサンバ」
尾崎紀世彦「また逢う日まで」
和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」
ビリー・バンバン「さよならをするために」
欧陽菲菲「恋の追跡（ラブチェイス）」
主な参加アニメ・特撮ソング（一部）
仮面ライダー「ライダーアクション」
天才バカボン
あしたのジョー「力石徹のテーマ」
海のトリトン
宇宙海賊キャプテンハーロック
宇宙戦艦ヤマト
鋼鉄ジーグ「鋼鉄ジーグの歌」
* 闘将ダイモス「立て!闘将ダイモス」
音楽活動はレコーディングやライブに留まらず、舞台やテレビ番組への出演もありました。世界歌謡祭やPARCO劇場での「パルコ・ミュージック・ステージショーガール」シリーズ、NHK総合テレビ「音楽は恋人」への出演など、その姿は様々なメディアで見られました。また、1993年のミュージカル「ムーンリットクラブ」では、ジャズベーシスト役として出演しています。
寺川正興は、ジャズのフィールドで実力を磨き、その確かな技術と個性的なサウンドをもって、日本のポピュラー音楽の多様なジャンルを支えたベーシストです。彼の残した膨大なレコーディングは、今なお多くの人々に聴き継がれており、日本の音楽史におけるその貢献は計り知れません。
生涯とキャリア
東京都小石川に生まれた寺川正興は、東京都立芝商業高等学校で学びました。17歳頃になると、ジャズベーシストとして知られる金井英人に師事し、ベースの道を歩み始めます。高校時代はハーモニカバンドでベースを担当していました。卒業後、一時的に会社員として働きましたが、音楽への情熱を捨てきれず、プロのミュージシャンとなることを決意します。
プロとしてのキャリアは、澤田駿吾とダブルビーツへの参加から始まり、その非凡な才能が認められました。その後、宮沢昭、西条孝之介カルテット、八木正生トリオといったジャズグループを経て、ジョージ大塚トリオに加入。1969年度の音楽誌『スイングジャーナル』の人気投票でベーシスト部門第2位を獲得するなど、人気実力ともにトップクラスのベーシストとしての地位を確立しました。これらの活動と並行して、石川晶率いるカウントバッファローズやLOVE LIVE LIFEといったバンドにも参加し、精力的な活動を続けます。
1968年頃からは、スタジオミュージシャンとしても活動を開始。歌謡曲、アニメソング、特撮ヒーローの主題歌、映画音楽など、そのジャンルは極めて多岐にわたりました。正確で安定したベースラインは、多くの作品のサウンドを根底から支え、日本のポピュラー音楽の歴史において欠かせない存在となっていきます。
演奏スタイルと人物像
寺川正興の演奏は、音楽専門誌『スイングジャーナル』によって「はっきりとした音程、しっかりしたテクニックを持ち、音楽に大切な歌心がある」と高く評価されました。特に彼の特徴的な奏法として知られるのが、「エレベーター奏法」と呼ばれるものです。これはグリッサンド（音と音の間を滑らかにつなぐ奏法）を多用し、2オクターブもの音域を上下する独特のスタイルで、多くのレコーディングでその個性的なサウンドを響かせています。
また、共演者や関係者からは、音楽家としてだけでなく、人間的な魅力も語られています。編曲家の青木望は、彼を「野球、ゴルフ、マージャン、酒、その他何でもこいの人」であり、「おしゃれで、渋くこったものを買う人」だったと回想しており、幅広い趣味を持ち、粋な一面もあった人物像がうかがえます。
主な参加作品
寺川正興は自身のリーダーアルバムを複数発表しているほか、数えきれないほどのアーティストの作品に参加しています。その活動範囲の広さは、ジャズ、ロック、歌謡曲、フォーク、アニメ・特撮ソングなど、まさに日本のポピュラー音楽全体に及びました。以下にその一部をリストアップします。
リーダー・アルバム
寺川正興とニュービート『Bass Bass Bass ドリフのほんとにほんとにご苦労さん』
寺川正興とニュービート『Bass Bass Bass 自由の女神』
寺川正興とニュービート、小山夏樹とニュービート『Bass Bass Bass 何があなたをそうさせた』
寺川正興・原田政長・石松元『ベース&ドラムス BASS AND DRUMS』
主な参加アルバム（一部）
ジョージ大塚トリオ『ページ・ワン』『ページ2』『ラスト・サマー～ページ3』
石川晶関連作品（カウント・バッファロー、カウントバッファローズなど）多数
LOVE LIVE LIFE関連作品多数
浅川マキ『MAKI II』
弘田三枝子『MIKO LIVE』など
アリス『ALICE IV』（一部楽曲）
泉谷しげる『光と影』（一部楽曲）
ガロ『GARO 3』（連名クレジット）
主な参加歌謡曲（一部）
森山加代子「白い蝶のサンバ」
尾崎紀世彦「また逢う日まで」
和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」
ビリー・バンバン「さよならをするために」
欧陽菲菲「恋の追跡（ラブチェイス）」
主な参加アニメ・特撮ソング（一部）
仮面ライダー「ライダーアクション」
天才バカボン
あしたのジョー「力石徹のテーマ」
海のトリトン
宇宙海賊キャプテンハーロック
宇宙戦艦ヤマト
鋼鉄ジーグ「鋼鉄ジーグの歌」
* 闘将ダイモス「立て!闘将ダイモス」
舞台・番組出演
音楽活動はレコーディングやライブに留まらず、舞台やテレビ番組への出演もありました。世界歌謡祭やPARCO劇場での「パルコ・ミュージック・ステージショーガール」シリーズ、NHK総合テレビ「音楽は恋人」への出演など、その姿は様々なメディアで見られました。また、1993年のミュージカル「ムーンリットクラブ」では、ジャズベーシスト役として出演しています。
結び
寺川正興は、ジャズのフィールドで実力を磨き、その確かな技術と個性的なサウンドをもって、日本のポピュラー音楽の多様なジャンルを支えたベーシストです。彼の残した膨大なレコーディングは、今なお多くの人々に聴き継がれており、日本の音楽史におけるその貢献は計り知れません。
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