専田盛寿

専田盛寿（せんだもりとし）は、1897年（明治30年）に神奈川県で生まれ、1961年（昭和36年）に亡くなった日本の陸軍軍人です。旧姓は長井で、後に専田寅蔵の養子となりました。最終階級は陸軍少将です。

専田は横須賀中学校（現在の神奈川県立横須賀高等学校）を卒業後、陸軍士官学校に進み、1918年（大正7年）に卒業しました。同期には、後に陸軍中将となる牛島満などがいます。同年、騎兵少尉に任官し、騎兵第13連隊に配属されました。その後、陸軍大学校に進み、1926年（大正15年）に卒業。エリート軍人としての道を歩み始めます。

1927年（昭和2年）には騎兵第13連隊の中隊長に就任。その後、参謀本部付勤務、北京駐在、支那課勤務などを経て、関東軍参謀を務めます。1933年（昭和8年）には騎兵少佐に進級し、陸軍大学校の教官となります。1935年（昭和10年）には関東軍参謀（情報担当）に転じ、支那駐屯軍参謀も歴任しました。1937年（昭和12年）には騎兵中佐に昇進し、第16師団参謀に就任。1938年（昭和13年）には陸軍騎兵学校教官に転じ、1939年（昭和14年）には騎兵大佐に進みました。

1939年（昭和14年）10月、専田は第39師団参謀長として日中戦争に出征し、宜昌作戦などに参加しました。1940年（昭和15年）には興亜院調査官（華北連絡部）に就任。その後、第53師団司令部付を経て、1943年（昭和18年）には留守第53師団司令部付（京都帝国大学配属将校）となりました。1945年（昭和20年）2月には独立混成第81旅団長に任命され、再び中国戦線に出征。同年3月には陸軍少将に進級し、湘潭付近の警備を担当しました。終戦時は中国戦線で部隊を指揮しており、1948年（昭和23年）に復員しました。

戦後、1946年（昭和21年）には、GHQの調査に協力した田中隆吉の証言により、専田が興亜院華北連絡部勤務時代に、北支での阿片売買資金を上司の塩沢清宣から東条英機に飛行機で送ったという疑惑が浮上しました。この証言の真偽は不明ですが、専田の戦後の評価に影を落とすこととなりました。

1948年（昭和23年）1月31日には、公職追放の仮指定を受け、軍人としてのキャリアを終えることとなりました。

専田盛寿は、騎兵科の将校としてエリートコースを歩みながらも、日中戦争という激動の時代に翻弄された軍人でした。戦後は、阿片売買に関わった疑惑や公職追放など、その晩年は必ずしも平穏とは言えませんでした。

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