小俣町 (三重県)

三重県度会郡小俣町（おばたちょう）

小俣町は、かつて三重県度会郡に存在した町です。伊勢平野の南部に位置し、伊勢参宮街道の最後の宿場町として栄えました。この記事では、小俣町の歴史、地理、文化、産業について詳しく解説します。

地理

小俣町は伊勢平野の南部に位置し、宮川下流の西岸にあります。町の西端には標高40m前後の丘陵地（大仏山）がありますが、大部分は標高20m未満の平地です。

主な河川：

宮川
外城田川
汁谷川

かつて隣接していた自治体：

伊勢市
多気郡明和町
度会郡玉城町
度会郡御薗村

歴史

小俣町の歴史は古く、797年の離宮院創設にまで遡ります。室町時代末期には廃墟となりましたが、1588年の蒲生氏郷による伊勢参宮街道の大改修によって、街道筋の町として整備されました。

廃藩置県以前の小俣村は、紀州藩領と鳥羽藩領に分かれていました。度会県発足後に一つの行政区となりますが、村の行政は元紀州藩領と元鳥羽藩領に分かれたまま差配されていました。この影響は小俣町成立後の昭和4年まで続きました。

沿革

1889年（明治22年）4月1日 - 町村制施行により、小俣村が単独で自治体を形成。
1928年（昭和3年）11月3日 - 小俣村が町制施行して小俣町となる。
1953年（昭和28年）11月1日 - 北浜村の一部（明野開拓地）を編入。
1955年（昭和30年）4月10日 - 有田村の一部（湯田・新村および井倉字妻ヶ広）を編入。
1957年（昭和32年）1月15日 - 妻ヶ広を多気郡斎明村（現・明和町）に編入。斎明村の一部（明野開拓地）を編入。
1958年（昭和33年）10月20日 - 町制30周年を記念し、町章を制定。
1988年（昭和63年）11月3日 - 町制60周年を記念し、町の花を「キク」、町の木を「サクラ」に制定。
2003年（平成15年）9月25日 - 合併問題で議会が反対したため、町長が辞職、その後の町長選で復活。
2005年（平成17年）11月1日 - 伊勢市・二見町・御薗村と合併し、改めて伊勢市が発足。小俣町は廃止。

産業

小俣町は、商工農のバランスがとれた町でした。主な産業は以下の通りです。

株式会社マスヤ
美和ロック株式会社伊勢工場
ユニチカ株式会社宮川事業所

教育

小俣町には、以下の教育機関がありました。

三重県立明野高等学校
小俣町立小俣中学校
小俣町立明野小学校
小俣町立小俣小学校
小俣町立図書館
三重県南部自動車学校

交通

小俣町には、以下の鉄道駅がありました。

近畿日本鉄道山田線：明野駅、小俣駅
東海旅客鉄道参宮線：宮川駅

バスは三重交通や伊勢市コミュニティバスが運行していました。

道路：

国道23号（南勢バイパス）
三重県道37号鳥羽松阪線

名所・旧跡・観光スポット

小俣町には、以下の名所・旧跡・観光スポットがありました。

離宮院跡
小俣神社
湯田神社
大仏山公園

祭事・催事

小俣町では、以下のような祭事・催事が開催されていました。

かんこ踊り（8月15日）
おばたまつり（8月下旬）
町民体育祭（10月中旬）
掛橋御頭舞（2月11日）
官舎神社御頭舞（2月11日）

現在の小俣町

2005年の合併により小俣町という自治体はなくなりましたが、その地名は伊勢市小俣町として残っています。旧小俣町の地域は、現在も伊勢市の一部として発展を続けています。かつての町役場は伊勢市小俣総合支所となり、地域住民の行政サービスを担っています。

まとめ

小俣町は、伊勢参宮街道の宿場町として栄え、豊かな自然と歴史を持つ町でした。合併によりその名は消えましたが、小俣町の歴史と文化は、今も伊勢市の一部として息づいています。

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