小原譲治

小原譲治 - 日本映画界の名撮影技師

小原 譲治（おはら じょうじ、1902年9月27日 - 1990年6月24日）は、日本の映画界において、サイレント映画から戦後にかけて活動した著名な撮影技師・撮影監督です。彼のキャリアは多岐にわたり、数多くの映画作品に優れた影響を与えました。特に、五所平之助監督とのコラボレーションにより、多くの人気作品を手掛け、その技術力で映画製作に寄与しました。

人物・来歴

東京府で誕生した小原は、青山学院中等部を卒業後、1924年に松竹蒲田撮影所に入社しました。その後、1927年に撮影技師に昇進し、斎藤寅次郎監督の映画『魔道』でデビューを果たしました。この作品では、先輩の野村昊と共に撮影を担当し、以後「明るい軟調のトーン」を持つ作品を数多く手がけることとなります。

小原は、蒲田時代において、同じく蒲田で活躍していたアーティストたちと共に「蒲田調」と呼ばれる独特の映像表現を生み出しました。特に、1933年の『恋の花咲く 伊豆の踊子』や1935年の『人生のお荷物』は、五所監督との連携によって名作として評価されています。彼の創り出す作品の映像美は、多くの視聴者に深い印象を与えました。

1936年には松竹が大船に移転し、小原は松竹大船撮影所に異動します。その後、1937年には東京発声映画製作所に移籍し、その作品『十字砲火』が彼の入社第1作となりました。この年に彼は東宝映画に合併となり、戦後の時期においても新東宝映画に参加し、洋間での撮影に特に秀でていたと言われています。

小原は1947年に新東宝に参加し、阿部豊監督の『愛よ星と共に』を自ら手掛けるなど、映画製作において重要な役割を果たしました。さらに、市川崑監督のデビュー作『－「眞知子」より－ 花ひらく』や『人間模様』など、彼の影響は新東宝のモダンな映画作りに大きく貢献しました。1950年には小津安二郎監督の『宗方姉妹』等も手掛け、その幅広い技術力を誇示しました。

1954年には日活に移籍し、同監督の『愛と死の谷間』や新東宝の『鶏はふたゝび鳴く』などの作品で撮影を担当し、同年の毎日映画コンクールでは撮影賞を受賞しました。晩年には、大映東京撮影所に移籍し、1968年に島耕二監督の『怪談おとし穴』を最後にして映画界から引退しました。

おもなフィルモグラフィ

小原譲治が関わった代表的な作品としては以下のようなものがあります。

• - 『魔道』（1927年） - 監督：斉藤寅次郎
• - 『恋の花咲く 伊豆の踊子』（1933年） - 監督：五所平之助
• - 『人生のお荷物』（1935年） - 監督：五所平之助
• - 『愛よ星と共に』（1947年） - 監督：阿部豊
• - 『宗方姉妹』（1950年） - 監督：小津安二郎
• - 『怪談おとし穴』（1968年） - 監督：島耕二

結び

小原譲治は、日本映画界において重要な役割を果たした撮影技師として、独自のスタイルと洗練された技術で数多くの映画作品を形作りました。彼の影響は、後世の映像作りにも多大な影響を及ぼし、今でも多くの映画ファンに愛されています。

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