小山作之助

小山作之助：日本の音楽教育に尽力した教育者・作曲家

小山作之助（こやま さくのすけ）は、文久3年（1864年）に越後国で生まれ、昭和2年（1927年）に亡くなった日本の教育者であり、作曲家です。日本教育音楽協会の初代会長を務めました。

生い立ちと教育

1864年、小山は現在の新潟県上越市で生まれました。16歳で小学校を卒業後、家業の石油事業を手伝うために高田に移り住み、夜は漢学塾で学びました。その後、1880年に上京し、大学予備門を経て築地大学（現在の明治学院大学）に入学。英語と数学を学びました。

音楽の道へ

1883年、小山は文部省音楽取調所に入学し、伊沢修二に師事します。その才能と品行方正さから、卒業まで手当が支給されました。1887年に音楽取調所が東京音楽学校（現在の東京芸術大学）に改組されると、小山は首席で卒業。その後も伊沢校長の元で研究生として学び、教授補助として教鞭を執りました。

教育者としての活躍

東京音楽学校では、学生指導や音楽研究に熱心に取り組みました。教え子の中には、後に作曲家となる瀧廉太郎もおり、小山が瀧の才能を見出し、ドイツ留学を勧めたという逸話も残っています。1897年に教授に就任しますが、1903年に退職。退職後も教え子たちの面倒を見ながら、文部省唱歌の編纂委員として作曲や指導にあたりました。

多岐にわたる活動

小山は、1904年に山葉楽器（現在のヤマハ）の顧問に就任。その他にも、多数の音楽学校の創設や運営に関わるなど、多方面で活躍しました。

その生涯

1927年、小山は東京の自宅で執筆中に倒れ、狭心症のため63歳で亡くなりました。「日本音楽教育の母」とも称される小山の作曲は、唱歌、童謡、軍歌、校歌など多岐にわたり、総作曲数は1000曲を超えると言われています。

音楽作品

小山の作品は、当時の国策により作者不詳として発表されたものが多く、正確な作曲数は不明です。代表的な作品には、以下のようなものがあります。

漁業の歌
敵は幾万
夏は来ぬ
日本海軍
春の心
教育勅語唱歌
海事教育 航海唱歌 下巻
地理教育 東京唱歌

郷里での功績

小山の故郷である上越市大潟区では、その功績を称える活動が続けられています。母校の後身である上越市立大潟町中学校には、小山の胸像と「夏は来ぬ」の歌碑が建てられています。また、同区では防災行政無線で「夏は来ぬ」が時報として流れるほか、毎年「卯の花音楽祭」が開催されています。

メディアでの登場

小山をモデルとした作品として、1993年公開の映画『わが愛の譜 滝廉太郎物語』があります。

まとめ

小山作之助は、日本の音楽教育の発展に大きく貢献した教育者であり、作曲家でした。その功績は、今もなお多くの人々に語り継がれています。

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