小幡義実

小幡義実（おばた よしざね）

小幡義実は、戦国時代の武将であり、大内氏の家臣として知られています。

生涯

義実は安芸国佐西郡石内（現在の広島市佐伯区石内）を根拠とする国人、安芸小幡氏の一族でした。詳しい系譜は明らかではありませんが、当時の石内領主であった小幡山城入道の子息であると推測されています。

大内氏には小姓として仕え、天文20年（1551年）の大寧寺の変において、大内義隆に従い山口から大寧寺へ向かいました。そこで、冷泉隆豊、黒川隆像、岡部隆景、大田隆通、岡屋隆秀、祢宜右延、天野隆良らと共に辞世の句を詠みました。

大寧寺が陥落し、義隆が自害する直前、義隆より後事を託され、義隆の嫡子である義尊を警護して脱出を試みます。しかし、その目的を果たすことはできず、陶隆房軍によって捕縛され、最終的には斬首されました。

義実の墓所は現在も大寧寺にあり、大内義隆をはじめとする大寧寺の変で討ち死にした家臣たちと共に眠っています。

辞世の歌は「宝剣を呑却して名弓を放下す　只斯の景のみ有り一陣の清風」と伝えられています。

逸話

小幡義実の一族の娘は、後に毛利元就の後妻となり、「中の丸」と呼ばれました。彼女は賢夫人として毛利家中で重要な役割を果たし、夫である元就を献身的に支えたとされています。

義実の生涯は、主君への忠義と一族の繁栄に貢献した人物として、歴史に名を残しています。

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