天野隆良

天野隆良（あまの たかよし）は、戦国時代の武将で、大内氏の家臣として知られています。安芸国の国人である天野元貞の次男として生まれました。兄は後に毛利氏の重臣となる天野隆重です。

出自

安芸天野氏は、藤原南家工藤氏の一族で、安芸国に下向し国人化した家柄です。隆良の系統は、天野政貞を祖とする金明山天野氏にあたります。安芸の国人である天野興次、天野興定、天野元定の一族は、生城山天野氏です。

略歴

永正8年（1511年）に、安芸国の金明山城を居城とする国人・天野元貞の次男として誕生しました。幼少の頃から、周防国や長門国を領有する大大名・大内義隆の近習として仕えました。

天文20年（1551年）、陶隆房（後の陶晴賢）が義隆に対して謀叛を起こした大寧寺の変において、隆良は近習の一人として、大内義隆の護衛を務め、山口から逃亡しました。しかし、長門国の大寧寺で陶軍に包囲され、同年9月1日に冷泉隆豊、黒川隆像、岡部隆景、大田隆通、岡屋隆秀、祢宜右延、小幡義実らと共に大軍を相手に奮戦し、義隆自刃の時間を稼ぎました。その結果、隆良も討ち死にを遂げました。享年41歳。

辞世の句は「不来不去　無死無生　今日雲晴れて　峰頭月明らかなり」と伝えられています。

隆良には男子がおらず、女子が一人いました。隆良の主君に殉じた忠義を重んじた毛利元就の命により、隆良の兄・隆重の三男である元祐が婿養子となり、家督と周防国吉敷郡大内村の内60石の知行を継承しました。この措置は、天野隆良の忠義を称え、その家名を存続させるためのものでした。

参考文献

『萩藩閥閲録』巻70「天野七郎兵衛」
岡部忠夫編『萩藩諸家系譜』（マツノ書店、1999年復刻）

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