小折城

小折城の歴史

小折城（こおりじょう）は、愛知県江南市に位置していた平城で、歴史的に重要な役割を果たしてきました。この城は室町時代からその歩みを始め、戦国時代には特に注目されました。この城を築いた生駒氏は、藤原忠仁の子孫であり、大和国から尾張国に移住してきました。

室町時代の生駒氏

生駒氏が尾張に移住したのは、文明年間（1469年～1487年）で、周囲の戦乱から逃れるためでした。尾張国の小折は、交通の要所であったため、生駒氏は馬借として商業に成功し、力を持つようになりました。やがて、彼らは織田氏と関係を築き、地域での影響力を拡大しました。最盛期には飛騨から東三河まで商圏を広げていました。

戦国時代の重要性

生駒氏が城に力を持ち始めたのは、生駒家宗の娘、吉乃が織田信長の側室となった頃です。彼女は信長の次男織田信雄を産むことで、家名をさらに発展させました。この時期に小折城が築かれ、生駒氏の存在感が増していきました。

天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いにおいては、城が激しい戦闘の舞台となり、大規模な改修が行われました。信雄が追放された後、家長は隠居しましたが、息子の生駒利豊は豊臣秀吉に仕官し、のちには徳川家康に仕えました。

江戸時代の生駒家

その後、生駒利勝は尾張藩主徳川義直に仕え、子の徳川綱誠の守役として重要な役割を果たしました。生駒家の子孫は家老として地位を確立し、4,000石を領することとなります。この時期、一国一城令の影響により小折城は廃城となりましたが、生駒家は名古屋城下に中心を移しました。それでも、在所持ちとして小折村を維持しつつ、城の遺構や周辺領地の存在は続きました。

明治時代以降の状況

明治維新が進む中で、生駒家の下屋敷は処分され、次第にその存在は薄れていきました。しかし、旧下屋敷の中門である「廣間家の門」は生駒家の典医だった廣間家に引き継がれ、布袋町本町5丁目に移築されました。この門は1975年（昭和50年）2月12日に「廣間家の門」として江南市の有形文化財に指定されており、欅造りと六角形のなまこ壁を持つ美しい構造物です。

まとめ

小折城はその歴史を通じて、地域の重要なシンボルとして存在してきました。生駒氏の興隆と衰退の記録が、この城とともに残されているのです。近代以降もその一部は保存されており、歴史を感じる場所として訪れる価値があります。

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