小早川興景

小早川興景（こばやかわ おきかげ）は、戦国時代の武将であり、安芸国の国人領主であった竹原小早川氏の第13代当主です。永正16年（1519年）に、12代当主・小早川弘平の子として生まれました。父・弘平の死後、家督を相続して当主となり、大内義興から一字を賜り「興景」と名乗りました。

興景は、大内氏の有力な国人として、尼子氏との戦いに従軍しました。天文10年（1541年）には、毛利元就が尼子詮久の侵攻に対し吉田郡山城に籠城した際（吉田郡山城の戦い）に、援軍として毛利氏の救援に駆けつけました。この時、興景は元就にとって頼もしい味方となりました。

同年、興景は大内氏の命令に従い、元就らと共に安芸武田氏の居城である銀山城の攻略に向かいましたが、陣中において病を発し、そのまま病死しました。享年23歳という若さでした。興景には男子がいなかったため、毛利元就の三男である徳寿丸（後の小早川隆景）が養子となり、家督を相続しました。これにより、小早川氏は毛利氏との関係をより一層深めることとなりました。

興景の妻は毛利興元の娘であり、毛利元就の姪にあたります。また、養子の小早川隆景は義理の従弟にあたります。このように、小早川氏は毛利氏との姻戚関係を通じて、強固な同盟関係を築いていました。

小早川興景は、若くして亡くなったものの、戦国時代の動乱期において、小早川氏の存続と発展に貢献しました。彼の死後、養子となった小早川隆景がその遺志を継ぎ、小早川氏はさらに勢力を拡大していくことになります。

参考文献

今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。
渡辺世祐、川上多助『小早川隆景』マツノ書店、1980年。（初版は三教書院から1939年に発行）

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