小早川弘平

小早川弘平（生没年不詳）は、戦国時代の安芸国（現在の広島県西部）を拠点とした国人領主であり、竹原小早川氏の第12代当主です。また、室町幕府の奉公衆としても活動しました。父は小早川弘景。

弘平は、家の慣例に従い、元服時に大内政弘から偏諱を受け「弘平」と名乗りました。

生涯

応仁元年（1467年）10月2日、父・弘景から家督を譲り受け、当主となりました。応仁の乱において竹原小早川家は西軍に属したため、幕府との関係が疎遠となっていましたが、文明17年（1486年）12月には赦免され、関係が修復されました。翌文明18年（1486年）には、弘平は中務少輔に任じられ、その後、奉公衆にも復帰を果たしました。

永正4年（1507年）、細川政元が家臣によって暗殺されるという事件が発生します。さらに、政元によって追放されていた足利義尹が、大内義興（政弘の子）によって擁立され、上洛を開始すると、弘平もこれに従い、永正8年（1511年）の船岡山合戦に参陣しました。

一方、惣領家である沼田小早川家では、当主の小早川扶平の死後、わずか4歳の小早川興平が家督を継いでいました。足利義尹（のちに義稙と改名）が室町幕府将軍職に復帰すると、大内義興らはこれを認めず、興平に所領を安堵せず、大内氏と懇意にあった弘平に継がせようとしました。しかし、弘平は幼い興平の後見役をしっかりと務め、所領を要求することなく、応仁の乱以来険悪となっていた両小早川家の融和を図りました。その一環として、永正10年（1513年）には、興平の弟である福鶴丸を養子に迎えています。永正16年（1519年）に実子の興景が生まれていますが、この時弘平が生存していたとすれば、既に50代であったと考えられます(家督を継いだとされる1467年に0歳だったとしても、1519年時点で52歳)。

永正9年（1512年）には、安芸国の近隣の有力国人である天野興次・天野元貞、毛利興元、平賀弘保、阿曽沼弘定・阿曽沼弘秀、高橋元光、野間興勝、吉川元経らと、互いの権益確保を目的とした一揆盟約を結びました。この際、沼田・竹原両小早川家を代表して、弘平が署名しています。

参考文献

今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。

関連史料

東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ一：小早川家文書之1、東京帝国大学、1927年。
* 東京帝国大学文学部史料編纂所編『大日本古文書』 家わけ十一ノ二：小早川家文書之2、東京帝国大学、1927年。

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