小月航空基地

小月航空基地について

概要

小月航空基地（JMSDF Ozuki Air Base）は、山口県下関市に位置する海上自衛隊の飛行場です。全ての海上自衛隊の航空機搭乗員の基礎教育を担当する小月教育航空群が設置されており、また一部の海上保安官もこの基地に所属しています。教育課程を修了した者は、次の段階として徳島航空基地での計器飛行課程に進むことがあります。基地の周辺水域は「小月泊地」と称され、海上自衛隊の艦船とUS-1飛行艇が使用する停泊・離着水区域となっています。

沿革

戦前

小月航空基地の歴史は1940年に遡ります。下関飛行場として建設が開始され、完成後は帝国陸軍に移管されました。その後、飛行場は小月飛行場と呼ばれるようになり、いくつかの部隊が配置されました。1944年までには本土防空戦に従軍する部隊として機能していました。

米軍の時代

戦後、米軍およびニュージーランド軍が駐留し、1950年には接収が解除され、警察予備隊小月訓練所が設立されました。さらに1952年には保安隊小月駐屯地が設立され、陸上自衛隊の駐屯地としても利用されることになります。

防衛庁の管理下

1956年には航空自衛隊に移管され、その後の部隊編成や教育課程の運営が開始されました。この過程で、航空自衛隊小月基地が設立され、その後海上自衛隊が小月航空基地の運営を継承しました。

現代の小月航空基地

2008年に小月救難飛行隊が廃止され、現在の救難任務は別の基地に移管されています。航空管制や多くの業務は航空自衛隊の築城基地が担当しており、教育活動面でも扶助を受けています。

教育課程

小月教育航空群で実施される教育課程は大きく分けて二つあります。幹部航空基礎課程は、防衛大学校や大学を卒業した幹部候補生を対象にした12週間の集中的なプログラムです。一方、航空学生課程は一般高等学校卒業者を対象にした1年4ヶ月のコースです。これらのプログラムを通じて、将来的には戦術航空士や固定翼操縦士としての道が開かれます。

イベント

毎年10月下旬には「スウェル・フェスタ」として航空祭が開催されます。このイベントでは、基地の教官が率いるアクロバットチームの展示飛行が行われるほか、音楽演奏も楽しめる内容となっています。また、基地の食堂ではその日の献立が公開される取り組みも行われています。

地元との関わり

基地の職員は、地元で開催されるイベントにも参加し、地域交流を促進しています。かつては災害救援活動に関する規定が整備されたこともあり、その後の災害派遣がより円滑に行えるようになりました。小月航空基地は単なる軍事施設ではなく、地域社会とも密接に結びついている存在です。

まとめ

小月航空基地は、その歴史や教育機関としての役割から、海上自衛隊の重要な拠点であり続けています。地域との繋がりを大切にしながら、未来の航空機搭乗員を育成する重要な役割を果たしています。

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