小杉陣屋

小杉陣屋について

小杉陣屋は、神奈川県川崎市中原区小杉陣屋町に存在した、江戸時代初期の陣屋です。この陣屋は、旗本であり幕府領の代官、さらに用水奉行でもあった小泉次大夫吉次によって築かれました。

陣屋の歴史

1597年（慶長2年）、徳川家康の家臣であった小泉次大夫は、武蔵国稲毛領と川崎領における農業用水の確保と灌漑工事を目的として、用水奉行に任命され、小杉に陣屋を構えました。14年にも及ぶ大工事の末、「二ヶ領用水・六郷用水」として完成しました。関ヶ原の戦いの後、徳川家康が江戸幕府を開くと、次大夫は旗本となり、幕府領の代官としてこの地域を統治しました。

1608年（慶長13年）には、二代将軍徳川秀忠によって、小杉陣屋の西隣に小杉御殿が建設されました。

現在の所在地

現在、小杉陣屋の跡地は、川崎市中原区小杉陣屋町、川崎市立西丸子小学校の校門前の墓地付近とされています。しかし、川崎市が設定した周知の埋蔵文化財包蔵地（中原区No.18、種別:城館跡、小杉御殿を含む）の範囲からは、やや外れた場所に位置しています。

また、小杉陣屋町の「小杉陣屋町中公園」の向かい側にある祠には、小杉陣屋の案内看板が設置されています。

小泉次大夫について

小泉次大夫は、徳川家康の家臣として、武蔵国の農業用水整備に尽力した人物です。用水奉行として小杉陣屋を拠点に、二ヶ領用水の開削という大事業を成し遂げました。その功績により、幕府の旗本となり、代官としてこの地域を治めました。彼の功績は、現在の川崎市の発展の礎となっています。

関連情報

参考文献
羽田猛 2015『中原街道と武蔵小杉 写真で綴る周辺の今昔』神奈川新聞社
関連項目
昌林寺 (東京都北区)
小泉次大夫
小杉御殿
* 二ヶ領用水

小杉陣屋は、江戸時代の初期における重要な歴史的建造物であり、地域の人々の生活を支える用水事業の中心地でした。その歴史的背景は、現在もこの地を訪れる人々に、当時の息吹を伝えています。

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