小林公

小林公(こばやし いさお)氏は、1945年10月14日生まれの日本の法学者です。専門は法哲学であり、その深い知見と幅広い研究活動で知られています。

氏の学究の歩みは、[東京大学]]法学部卒業(1968年)から始まります。卒業後は同大学の助手として研究活動に携わった後、1971年に立教大学法学部法学科専任講師として教壇に立ちました。その後、助教授]、[教授]と着実にキャリアを積み重ねていきます。1988年には、立教大学法学部が改組されたことに伴い、国際・比較法学科、そして国際ビジネス法学科の[[教授を歴任しました。2011年に立教大学を定年退職されるまで、長年にわたり法学教育と研究に貢献されました。

小林氏の研究は、法哲学の領域に深く根ざしています。単なる理論的考察にとどまらず、歴史的、社会的な文脈も踏まえ、多角的な視点から法のあり方を追求している点が特徴です。その著作活動は、法哲学に関する深い知識と考察を反映したものです。

主な著書として、『合理的選択と契約』(弘文堂、1991年)、『法哲学』(木鐸社、2009年)、『ウィリアム・オッカム研究：政治思想と神学思想』(勁草書房、2015年)などがあります。これらの著作は、法哲学の主要なテーマを深く掘り下げ、現代社会における法の役割や課題を鋭く分析しています。また、単なる専門書にとどまらず、一般読者にも分かりやすく、かつ刺激的な内容が特徴です。

さらに、小林氏は翻訳活動にも積極的に取り組んでおり、多くの重要な法哲学、政治思想に関する著作を日本語に紹介することで、日本の学界に多大な貢献を果たしています。翻訳作品には、ジャック・グデ『救済の帝国―ダンテと政治』(木鐸社、1976年)、ロナルド・ドウォーキン『権利論』(木鐸社、1986年、2001年)、H・L・A・ハート『権利・功利・自由』(木鐸社、1987年)、エルンスト・カントロヴィチ『王の二つの身体―中世政治神学研究』(平凡社、1992年、ちくま学芸文庫、2003年)、ロナルド・ドウォーキン『法の帝国』(未來社、1995年)、デイヴィド・ゴティエ『合意による道徳』(木鐸社、1999年)、ロナルド・ドウォーキン『平等とは何か』(木鐸社、2002年)、エルンスト・カントロヴィチ『皇帝フリードリヒ二世』(中央公論新社、2011年)、ダンテ・アリギエーリ『帝政論』(中公文庫、2018年)などがあります。これらの翻訳を通して、海外の重要な思想を日本の読者に紹介し、日本の法哲学研究の発展に大きく寄与しました。

小林公氏の研究と教育活動は、日本の法哲学界に計り知れない影響を与え、現代の法思想を理解する上で欠かせない存在となっています。法哲学に関心のある方にとって、氏の著作や翻訳は必読と言えるでしょう。

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