小林正 (政治家)

小林正（こばやし ただし）

プロフィール

小林正は、1933年4月24日に東京府で生まれた日本の政治家、教育評論家です。横浜国立大学学芸学部哲学科を卒業後、川崎市立中学校の教諭となりました。その後、教育界、政界を経て、教育評論家として活動しました。彼は、教育改革、歴史教科書問題に積極的に関わり、保守系の立場から教育問題への提言を行いました。

政治家としての活動

1982年、小林は神奈川県教職員組合の委員長に就任しました。日教組内では右派に属し、組合の職能団体化を目指しました。1989年には、日本社会党公認で参議院議員に初当選。党内では右派として、民社党や社会民主連合との連携を重視しました。党内の若手改革派議員グループにも参加しましたが、1992年には党の方針に反して衆議院定数是正案に賛成し、党から厳重注意処分を受けました。その後、社会党を離党し、新生党、新進党に参加しましたが、1995年に公認を巡る問題から離党し、無所属で出馬するも落選しました。1998年には自由党から出馬しましたが、落選し、政界を引退しました。

教育評論家としての活動

政界引退後、小林は教育評論家として活動を始めました。2006年には、新しい歴史教科書をつくる会の理事に就任し、後に会長となりました。また、日本教育再生機構の代表委員にも就任し、教育改革に取り組む一方で、ゆとり教育やジェンダーフリー教育など日教組の主張には反対の立場を取りました。教育に関する著書も多数執筆しており、保守系の立場から教育問題に関する論評を行っています。また、山梨県教職員組合の政治資金問題に関わり、告発活動を行ったことでも知られています。さらに、保守系著名人による「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人にも名を連ね、政治活動にも関与しました。

新しい歴史教科書をつくる会を巡る動き

2006年、小林は「新しい歴史教科書をつくる会」の理事に就任し、その後会長に就任しました。しかし、会の方針を巡って他の理事と対立。会内での主導権争いの末、2007年に会長を解任され、会員からも除名されました。この背景には、教科書問題に対する考え方の違いがあり、小林は幅広い国民の支持を得るために、他のメンバーと連携する必要があると主張しましたが、受け入れられませんでした。

主な役職

日本教育再生機構 代表委員
教科書改善の会 賛同者
日本の教育改革を進める会 理事
「日本の教育改革」有識者懇談会（民間教育臨調）教育制度部会長
新しい憲法をつくる国民会議 理事
協和協会 理事
新しい歴史教科書をつくる会 会長（元）
世界戦略総合研究所 評議員

著書

『「日教組」という名の十字架 : 戦後教育の源流をたどる』(善本社, 2001年)
『教育黒書 : 学校はわが子に何を教えているか』(八木秀次編著 ; 西村和雄 [ほか著]. PHP研究所, 2002年)
『教育制度の再生』(学事出版, 2006年)
『「日教組」という名の十字架』(増補改訂. 善本社, 2006年)

編著書

* 『教育制度の再生』（西澤潤一監修『日本の教育改革をどう構想するか　民間教育臨調の提言』4）2006年 学事出版

その他

統一教会の機関紙「世界日報」へ寄稿していたことも知られています。

小林正は、教育、政治の両分野で幅広い活動を行い、日本の教育問題に多大な影響を与えた人物と言えるでしょう。

もう一度検索