小林福子

小林福子（1920年3月6日 - 2012年8月9日）は、日本の作曲家、音楽教師として知られています。彼女は、特に桐朋学園大学附属子供のための音楽教室において、長年にわたりソルフェージュの指導に尽力し、多くの音楽家を育てました。

生い立ちと音楽への道

1920年、東京に生まれた小林福子は、幼少期から音楽に親しみました。成城小学校6年生のときには、成城学園の教師であった岡本敏明から作曲の手ほどきを受け、その才能を開花させました。1938年には東京音楽学校予科に入学し、作曲を橋本國彦、ヘルムート・フェルマーに、ピアノを井口基成に師事し、作曲家、ピアニストとしての基礎を築きました。1942年9月に同校本科作曲部を卒業すると、その年の『著作権者名簿』に「作曲」家として掲載され、1948年と1949年の紳士録にも「作曲家」として記載されるなど、早くからその才能が認められていました。

演奏活動と作曲活動

小林は、ピアニストとしても活動し、1949年11月22日には、声楽家柴田睦陸の伴奏者として、フォーレやショーソンなどの作品を演奏しました。また、1948年に平尾貴四男、安部幸明、高田三郎、貴島清彦らが結成した音楽グループ「地人会」には、1950年に参加し、自身の作品を発表しました。同年にはピアノのための『主題と変奏曲』、翌1951年には『ピアノソナタ』を同会で発表し、作曲家としての評価を高めました。

音楽教育への貢献

玉川学園小学部でピアノを指導していた小林は、1948年に斎藤秀雄らが設立した「子供のための音楽教室」に指導者として加わり、ソルフェージュ科を担当しました。1954年の指導者リストには、伊藤武雄、小林福子、柴田南雄、入野義郎、石桁真礼生、別宮貞雄の名前が連ねられています。この教室で学んだ指揮者の小澤征爾も、ソルフェージュで小林の指導を受けています。小林はその後も「子供のための音楽教室」でソルフェージュ指導を続け、1972年には室長に就任、後には桐朋学園大学音楽学部教授として、後進の育成に尽力しました。

晩年と作品

2012年8月9日、小林福子は92歳で生涯を閉じましたが、その音楽への情熱と教育への貢献は、今もなお多くの人々に影響を与えています。

彼女の作品には、以下のようなものがあります。

協奏曲
ピアノコンチェルト
ピアノ独奏曲
主題と変奏
ピアノソナタ
ピアノのためのソナチネ
ピアノのためのプレリュード
声楽曲
波（三声の輪唱、詞：岡本敏明）
歌はぼくらのお友達（二部合唱、詞：岡本敏明）
* 朝のうた（二部合唱、詞：岡本敏明）

これらの作品は、彼女の音楽に対する深い理解と、繊細な感性を反映しており、今もなお多くの人々に愛されています。

小林福子は、作曲家、ピアニスト、そして教育者として、日本の音楽界に多大な貢献を果たした人物として、その名前は永遠に記憶されるでしょう。

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