小林進 (政治家)

小林 進

（こばやし すすむ）

昭和期から平成期にかけて活動した日本の農民運動家、政治家です。衆議院議員として長年にわたり国政に携わりました。

生涯

1910年（明治43年）9月9日、現在の新潟県長岡市にあたる三島郡寺泊町に誕生しました。旧制北海中学校で学びを終え、1935年（昭和10年）に中央大学法学部を卒業します。

大学を卒業後、東京倉庫運輸株式会社に入社。その後、幹部候補生としての教育を受け、陸軍の主計将校として従軍。最終的に主計大尉として第二次世界大戦の終戦を迎えることとなりました。

政治家への道

太平洋戦争の敗戦は、小林氏に大きな衝撃を与えました。この経験を通じて「これからの人生は、人の役に立つために捧げよう」と決意し、政治家を志すことになります。1946年（昭和21年）、当時の社会党の有力者であった平野力三氏の元を訪れ、政治への熱意を強く訴えましたが、当時の新潟県には戦前から影響力を持つ社会党の派閥が存在しており、政治経験の乏しい小林氏の入党は認められませんでした。

しかし、政治家になることを諦めなかった小林氏は、翌1947年（昭和22年）に平野力三氏の紹介により、日本社会党新潟県連合会への入党を果たします。ところが、地元である新潟3区では強い反発に直面したため、日本農民組合の活動に身を投じることとなりました。1948年（昭和23年）、平野力三氏が公職追放処分を受けた後、平野系議員を中心として社会革新党が結成された際、小林氏もその一員となります。

国政での活動

1949年（昭和24年）に実施された第24回衆議院議員総選挙において、小林氏は初めて議席を獲得し、衆議院議員としてのキャリアをスタートさせました。その後、所属政党を日本社会党へと移し、以後合計11回にわたり衆議院議員に当選を重ねました。

日本社会党においては、代議士会会長、党外交政策委員長といった主要な役職を歴任。また、衆議院の予算委員会理事や日中友好議員連盟副会長など、国会内外で幅広く活動しました。特に、財務、農政、社会労働、外交といった分野で中心的に政策活動を展開し、日本の政治に貢献しました。

1980年（昭和55年）には、衆議院より永年在職（25年以上）議員としてその功績が認められ、表彰を受けています。

引退と晩年

1986年（昭和61年）に行われた第38回衆議院議員総選挙には出馬せず、政界から身を引くことを決意しました。長年にわたる政治活動を終えた後、故郷である新潟で穏やかな晩年を過ごしました。

政治家としての功績に対し、1985年（昭和60年）には日本の栄典制度における最高位の一つである勲一等旭日大綬章が授与されています。

1997年（平成9年）8月6日、86歳でこの世を去りました。

主要著作

『日本農業は、いま』（新泉社、1985年）
『百年樹人』（新泉社、1985年）

小林進氏は、激動の昭和期から平成初期にかけて、農民運動と政治活動を通じて国家社会に貢献した人物であり、特に農政や外交分野における長年の経験と識見は高く評価されています。

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