小沼克行(こぬま かつゆき)は、
1955年8月14日に
埼玉県春日部市で生まれた元
大[[相撲]]
力士です。本名も同じ小沼克行。180cm、134kgの恵まれた体格で、左四つ、寄りを得意としていました。最高位は東
前頭9枚目(
1976年5月場所)です。
生い立ちと入門
埼玉県立草加高等学校を中退後、
1971年7月に元
横綱・柏戸が設立した
鏡山部屋から
初土俵を踏みました。柏戸に心酔していたことが入門の動機でした。高校時代は、
砲丸投げや
サッカーで活躍していました。
入門当初から将来を嘱望され、順調に
番付を上げていきました。
1975年7月場所には、同部屋の安達(後の蔵玉錦)と共に
十両へ昇進。
鏡山部屋初の関取として、大きな話題となりました。その恵まれた体格と将来性から「北の湖二世」と呼ばれ、大いに期待されました。
新入幕と挫折
1976年3月場所、弱冠20歳で新入幕を果たしました。その場所で勝ち越し、
相撲記者からは「将来の
横綱候補」と絶賛されました。翌5月場所も期待されましたが、3日目の青葉城戦で足首関節を骨折。この怪我により、その後遺症で
幕下まで陥落してしまいました。
この怪我は、対戦相手の青葉城にも大きな影響を与えました。当時の
相撲百科には、青葉城が「小沼を休場に追い込んだことを悔やんで気落ちし、成績が伸び悩んでいる」と紹介されています。このことからも、この怪我が両
力士にとって大きな転機であったことがわかります。
その後、
十両まで復帰しましたが、再入幕は叶いませんでした。
1978年3月場所前には、成績低迷と師匠との関係悪化から、
力士の象徴である髷を切ってしまいました。ザンバラ髪のまま
十両の土俵を務めましたが、同年11月場所後に、怪我と師匠との不仲が限界に達し、23歳で現役を
引退しました。
十両・
幕内昇進は、昭和30年代生まれの
力士としては、千代の富士に次ぐ2番目のスピード昇進でした。
引退後は、故郷の
春日部市で割烹料理店「八勝亭」を経営していました。後年、師匠(元・柏戸)との関係は改善され、結婚式に出席してもらった際には、師匠夫妻が喜んで承諾し、上機嫌で帰ったそうです。このことをきっかけに、部屋関係者との交流も再開したといわれています。
主な戦績
通算成績:195勝151敗66休 勝率.564
幕内成績:10勝9敗11休 勝率.526
現役在位:44場所
幕内在位:2場所
十両優勝:1回(1976年1月場所)
場所別戦績
(場所別戦績は省略)
(幕内対戦成績は省略)
参考文献
『戦後新入幕
力士物語 第4巻』(著者:佐竹義惇、発行元:
ベースボール・マガジン社、
1993年、p132-p135)
関連項目
大[[相撲]]力士一覧
埼玉県出身の人物一覧