小田原急行鉄道151形電車

小田原急行鉄道151形電車

小田原急行鉄道151形電車は1927年に導入された座席と荷物室を兼ね備えた電車です。この形式は、当時の小田原線全線の複線化に合わせて導入され、その後の日本の鉄道の発展に寄与しました。

概要

151形は1927年に導入され、同時期に121形や131形も投入されました。この3形式は各種の仕様において異なっており、151形はトイレと広めの手荷物室を持つ3扉のロングシート車両です。車両の設計は先代のデハ101形を基にしていますが、製造は日本車輌製造から藤永田造船所へと変更され、特徴的な平妻形状の前面を持っています。

1942年には小田急電鉄に合併され、デハニ1250形に改番されました。その後、1946年には手荷物室が撤去されデハ1250形に、1950年にはさらにデハ1300形に改番されました。1956年には老朽化により2両が制御車として再利用され、クハ1350形に改造されました。これにより151形は小田急列車の歴史において重要な存在となりました。

車体の詳細

151形の車体は15.2mで、半鋼製の車体構造を持ち、特徴的な3箇所の片開き扉を設けています。側面の窓は下降窓で、日よけのためのよろい戸も装備されていました。車両の前面はフラットで貫通扉があり、乗務員用の扉は運転席側には設置されていません。

車内の仕様

車内は白熱灯で明るさが確保され、木製の部品が多く使用されるなど、当時の雰囲気を感じられる設計となっています。ロングシートが設けられ、手荷物室は客室の半分以上を占めていました。トイレは手荷物室内に配置されていました。

運転台は左側にあり、客室は真鍮製のパイプで、手荷物室とは内壁によって仕切られています。このような設計により、運転士と乗客の動線が適切に分けられています。

主な機器

主電動機には125HPのMB-146-A形が4基搭載され、制御装置は三菱電機製のHB形制御方式が採用されていました。ブレーキの方式はAMM-C形自動空気ブレーキが使用されており、台車は住友金属工業製のKS30Lが搭載されていました。

沿革

151形は当初、121形や131形と同時に増備されましたが、1934年には手荷物室の縮小とトイレの撤去が行われました。その後、1942年の合併により形式がデハニ1250形に変更され、1946年に手荷物室が排除され、デハ1250形になりました。1950年に再改番され、デハ1300形として使用され続けました。

1956年には2両が制御車として改造され、クハ1350形として末永く活躍しました。1969年にはデハ1300形は荷物専用車両として再編成され、デニ1300形になりました。これらは1984年に小田急が荷物輸送から撤退するまで使用され、その後は廃車となりました。

譲渡された車両

1969年には岳南鉄道と新潟交通へそれぞれクハ1351とクハ1352が譲渡され、別の運行形態で活躍しました。また、1984年にはデニ1301が東急車輛製造に譲渡されました。

結論

小田原急行鉄道151形電車は、長い歴史を持ち、多くの改番と変遷を経て日本の鉄道に大きな影響を与えた車両です。その存在は、鉄道の発展とともに多くの人々に利用され、愛され続けてきました。

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